2020年02月20日

「ヒロシの迷宮グルメ」がたのしみ

「ヒロシの迷宮グルメ 異郷の駅前食堂」(BS朝日)

なんとなくみてるうちに、すきな番組になってきた。
芸人のヒロシさんが、外国を旅しながら、
とくに目標をきめずにテキトーな駅でおり、
ちかくをぶらつきながら土地の料理をたべる。
その土地のことばがはなせないヒロシさんは、
かなりあやしい英語だけで町のひととはなし、
なにを注文したかわからないまま でてくる料理をまつ。

食堂(レストラン)をさがすとき、ヒロシさんはかならずそこが
「トラディショナルフード」をだす店であるかをたずねる。
外国へいってまで、日本食をたべたりしない。
英語ができなくても、ヒロシさんはぜんぜんはずかしがらずに
おもいつきのカタカナ英語ではなしかける。
英語へのコンプレックスが まったくかんじられず、気もちいい。
ヒロシさんといっしょにうごいている(はずの)スタッフは、
通訳したり、土地の事情をいれ知恵したりせず、
ヒロシさんの解釈をそのままにして撮影をつづける。
このまえみた回では、電車にのっているヒロシさんが、
ラトビアからエストニアへ国境をこえたことに気づかず、
かなり番組がすすむまで、
自分はいまラトビアにいるとおもいこんでいた。
そんなこともぜんぜんOKで、というよりも、
そのうかつさが、この番組のうりでもある。
画期的な旅番組であり、料理番組だ。
気がむいたものをたべるだけで、観光はいっさいしない。

土地の料理を いきあたりばったりでたべる番組なのに、
なんでわたしは気にいったのだろう。
わたしが外国を旅行するときも、
ヒロシさんと にたようなことをしているけど、
ヒロシさんのほうが もっと自由にうごきまわっている。
ろくにコトバをはなせず、でもその地方らしい料理がたべたいのは、
わたしもヒロシさんもおなじなので したしみがわく。
土地のひとは、親切だったり、めんどくさがったりで、
ほかの番組みたいに、つごうのいい「であい」なんかない。
屋台でもレストランでも、ヒロシさんは
おおげさに味をほめたりしない。
自分にあわなければ、へんな味とはっきりいうし、
おいしいときも わざとらしく表情をくずしたりせず、
愛想のない顔で「おいしい」というだけ。

このまえ「クールジャパン」をみていたら、
「外国人からみた日本人あるある」のなかで、
日本人はたべものにこだわりすぎ、というのがあった。
ひるごはんをまいにちちがうお店でたべるサラリーマンなど、
外国人からみると、不思議な行動にうつるらしい。
旅行でも、その土地の名物をたべるために、
わざわざとおくへでかけるなんて、外国ではありえないそうだ。
日本の旅行ガイドブックには、かならず名物料理がのっており、
わたしもまた、日本では味わえないものをたべるのが
旅行へでかける つよい動機になっている。
さきほど「画期的な旅番組」とかいたけど、
ヒロシさんの「迷宮グルメ」は、たべるだけが目的なので、
画期的とはいえ、きわめて日本的な内容かもしれない。

ヒロシさんは、ヨーロッパとアジアへでかけている。
どちらかというと、アジアの町をまわるときのほうが、
ヒロシさんのちからがぬけているようにみえる。
ヒロシさんは、からだがそんなにおおきくなく、
威圧感もないせいか、土地のひとに うけいれられやすい。
しらない町をテキトーにうろつくヒロシさんをみていると、
わたしもまた、どこか異国へでかけたくなる。

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posted by カルピス at 21:28 | Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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