2020年03月27日

ハラリ氏の「今こそグローバルな信頼と団結を」に共感する

『サピエンス全史』でしられるハラリ氏が、
アメリカTIME誌へ寄稿した
「『人類はコロナウイルスといかに闘うべきか』
今こそグローバルな信頼と団結を」
を、Web河出が全文公開した。
http://web.kawade.co.jp/bungei/3455/
新型コロナウイルスがひろがるのは、
グローバル化がすすみ、以前より圧倒的におおくのひとびとが
国境をこえてゆききするようになったのが要因、
とおもっていたけど、どうやらちがうみたいだ。
ハラリ氏は、分離ではなく協力が必要、とよびかけている。
いわれてみればもっともで、すんなり納得する。
はじしらずの大量引用で、ハラリ氏の寄稿を紹介したい。
感染症を封じ込めるのに短期の隔離は不可欠だとはいえ、長期の孤立主義政策は経済の崩壊につながるだけで、真の感染症対策にはならない。むしろ、その正反対だ。感染症の大流行への本当の対抗手段は、分離ではなく協力なのだ。

国境の恒久的な閉鎖によって自分を守るのは不可能であることを、歴史は示している。グローバル化時代のはるか以前の中世においてさえ、感染症は急速に広まったことを思い出してほしい。だから、たとえ国際的なつながりを1348年のイングランドの水準まで減らしたとしてもなお、不十分だろう。隔離によって本当に自分を守りたければ、中世にさかのぼってもうまくいかない。

真の安全確保は、信頼のおける科学的情報の共有と、グローバルな団結によって達成される。

今日、人類が深刻な危機に直面しているのは、新型コロナウイルスのせいばかりではなく、人間どうしの信頼の欠如のせいでもある。感染症を打ち負かすためには、人々は科学の専門家を信頼し、国民は公的機関を信頼し、各国は互いを信頼する必要がある。

信頼とグローバルな団結抜きでは、新型コロナウイルスの大流行は止められないし、将来、この種の大流行に繰り返し見舞われる可能性が高い。だが、あらゆる危機は好機でもある。目下の大流行が、グローバルな不和によってもたらされた深刻な危機に人類が気づく助けとなることを願いたい。

もしこの感染症の大流行が人間の間の不和と不信を募らせるなら、それはこのウイルスにとって最大の勝利となるだろう。人間どうしが争えば、ウイルスは倍増する。対照的に、もしこの大流行からより緊密な国際協力が生じれば、それは新型コロナウイルスに対する勝利だけではなく、将来現れるあらゆる病原体に対しての勝利ともなることだろう。

ハラリ氏は、いつもこういうふうに、
歴史を正確に分析し、論理をつみあげていく。
その結果、おのずと新型コロナウイルスへの方針があきらかになる。
だれでもできそうな思考のくみたてなのに、ハラリ氏しかできない。

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posted by カルピス at 20:58 | Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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