第16話「二人の小屋」まですすんでいる。
コナンとジムシーが、自分たちの家をつくるはなしだ。
コナンはラナに自分たちの家をみせ、
ゆくゆくはのこされ島にもどろうとおもう、とはなす。
インダストリアからたくさんのひとがハイハーバーにやってきたら、
島はすぐにひとでいっぱいになってしまうだろう。
そのために、のこされ島でも麦をそだて、
ひとがくらす島にしようという、さきをみこした計画だ。
コナンは「そのときは、ラナにもいっしょにきてほしい」と、
プロポーズとしかいえないセリフがある。
ラナはもちろん「いく」とこたえ、
「コナンにまけないように、いっぱいはたらく」という。
いっしょにきてほしい。はい。わたしもいっぱいはたらく。
これだけストレートで、気もちのこもったプロポーズ、
そして、こころからの同意があるだろうか。
おたがいが、おたがいをこころから必要とし、
ふたりがちからをあわせたら なんでもできる。
あたらしい世界をきずいていこうとする、
フロンティアスピリッツにあふれていた時代にこそ、
プロポーズのことばは胸にせまる。
すきだから。いっしょにいたいから。しあわせにしたいから。
そんなふやけたセリフしかいえない現代人には、
コナンのようなプロポーズはできない。
「西暦2008年7月、地球は絶滅の危機に直面していた・・・」。
くらいナレーションとともにはじまるコナンのオープニングは、
主題歌のメロディがながれると、一転してあかるい世界にかわる。
コナンとラナがのっている船が海をすすんでいく。
波にのり、ときには水中からのアングルとなる。
つぎは、のこされ島をかけていくコナンとラナ。
ふたりの世界がみごとにオープニングにあらわれている。
躍動感にみち、なんどみてもあきない。
ふたりがはしりまわる原っぱはすごくひろい。
よくかんがえたら、のこされ島ではない、
と気づかなければならないけど、
さいごにうつるのはまちがいなくロケット小屋なので、
やっぱりそこは のこされ島のはず。
こたえは、地殻変動で島がもちあがり、
ちいさかったのこされ島が、はるかにおおきくなった姿だった。
ただ、そのことは、最終話である26話をみてようやくわかる。
演出をした宮崎駿さんは、
さきのことはわからずに絵コンテをかいた、といっているけど、
さいごは、おおきくなったのこされ島にかえると、
宮崎さんのあたまにあったのだろう。
とにかくすばらしいオープニングであり、
あのたのしそうなうごきをみれば、
作品にこめられたエネルギーがどれだけおおきいかがわかる。
「トトロ」の10年まえに、これだけの作品がつくられていた。
ぜひおおくのひとにみてもらいたい。
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