2020年11月13日

服部勇馬選手「マラソンは、心で走る」

服部勇馬選手をとりあげた「マラソンは、心で走る」をみる。
服部選手といえば、きょねんおこなわれたマラソン代表の選考レース、
MGC(マラソン=グランド=チャンピオンシップ)での
ねばりづよいはしりが印象にのこっている。
マラソン選手らしからぬ発達した上半身とふとい下半身で、
表情をかえず、安定したはしりをみせる服部選手。
番組によると、新潟県の雪のおおい町でそだった服部選手は、
グランドのない中学で陸上をはじめた。
冬のあいだははしることもままならず、
半年間はクロスカントリースキーにきりかえる。
おおくうでをふるスキーのフォームにより、
長距離をはしる体幹がきたえられた。

高校は宮城県へすすみ、このときに東日本大震災を体験している。
練習どころか、競技場にはいることさえできなくなる。
震災で、おおくの大会が中止になるなか、
顧問の先生たちが全国高校駅伝の県予選の開催にむけてうごきだす。
大会をめざし、1年なり3年なり努力してのぞむ子どもたち。
高校生にとっては最大の舞台となるので、
なんとか体験させてあげたい、という先生の気もちがありがたい。
先生の気もちがまわりをうごかし、おおくのひとの協力をえて、
陸上自衛隊の駐屯地をかりてのレースがひらかれた。
このときの体験から服部選手は、
いつもの日常があたりまえではないこと、
自分たちがはしれるのは、
たくさんのひとにささえられているから、
というおもいをつよくする。
服部選手は、いまでもマラソンでくるしいときは、
こうしてはしることができるのは、
おおくのひとのおかげだと、いいきかせているという。

なんのためにはしるのか、というといかけにたいし、
たいていの選手は日の丸をせおってオリンピックにでたい、
みたいなことをいうのに、服部選手だけは
「自分をたかめるため」とこたえたと、
マラソン解説者の増田明美さんが番組ではなしている。
とてもストイックな、日本人のいい面がでている選手だ。

オリンピックが1年延期となったことし、
服部選手はにがてのスピードを克服しようと、
キロ2分40秒のペースではしるトレーニングにとりくんだ。
それまでの服部選手のペースはキロ2分50秒なので、
それよりも10秒はやい。
もし東京オリンピックが中止になったら、
どうやって生きていこう、とかんがえたときもあったけど、
はしっているのは自分だけではないのだから、
どんなときにでも前をむいて、いちにちいちにちを
大切にすごしていけば、きっと道がみつかるはず、
とはなす服部選手。

新型コロナウイルスの感染がおちつかないなか、
ちからづくでオリンピックをひらこうとする
IOCや東京都、そして日本政府のやり方にわたしは反対で、
東京オリンピックは中止になればいいとおもっている。
それでも練習にとりくむ服部選手をみていると、
オリンピックではしってもらいたい、と気もちがゆれる。
でもまあ、それはそれ、これはこれ、だ。
服部選手なら、東京オリンピックが中止になっても、
その体験をまえむきにとらえ、
きっとすぐれたランナーへと成長するだろう。
マラソンはこころではしるのだから、
その舞台が東京オリンピックでなくなっても
服部選手ならのりこえて、あたらしい道をしめしてくれる。

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posted by カルピス at 20:40 | Comment(0) | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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