2020年11月30日

オーストラリアで駆除される200万匹の野猫

すこしまえの朝日新聞に、オーストラリアの野生ネコがのっていた。
オーストラリアという土地の特殊事情から、ネコには天敵が存在せず、
野生化したネコ(「野猫」とある)がどんどんふえてしまった。
その結果、オーストラリア固有の動物たちが、
絶滅の危機においやられているという。

記事によると、野猫1匹が
1年に748匹の爬虫類・鳥類・哺乳類をたべるという。
野猫は、自分のからだよりもちいさくて、
獲物にできるならなんでもたべてしまうので、
危惧種の動物のうち130種が、存続をおびやかされているそうだ。
オーストラリアには、推計で
220万〜560万匹もの野猫がいるといい、
政府は2015年に野猫を有害動物として分類し、
2020年までに200万匹を駆除する目標をかかげている。

ネコを保護するのではなく、駆除、
しかも200万匹が目標だなんてひどいはなしだ。
駆除されるネコたちをおもうと 胸がいたむ。
固有種をまもるのは大切なことなんだろうけど、
そのために200万匹もの猫を駆除するとは。
人間に、そんな権利があるのかともおもう。

もっとも、野猫は、ネコからイメージするような、
かわいらしい存在ではないようだ。
記事にはワナにかかった野猫の写真がのっており、
こわい顔でこっちをにらんでいる。りっぱな猛獣のつらがまえだ。
野猫は、小型でたくましい肉食動物であり、
だからこそなんでも獲物にしてしまい、
おおくの種をおびやかすまで数がふえすぎた。
もとはといえば、オーストラリアという土地に、
ネコをはなったのがまちがいだったわけで、
生態系をみだしたツケが、野猫の駆除という形になってしまった。

200万匹のネコ、といわれても、おおすぎてイメージできない。
ネコはかわいい動物だからかわいそう、なんていうと、
それでは家畜をころすことはどうなんだ、
という問題につきあたるわけだけど、
野猫がふえすぎたのは、人間のせいであり、
その結果が200万匹の駆除というのがかなしい。

オーストラリアの問題に首をつっこむまでもなく、
日本のイノシシやシカだって駆除の対象となっている。
オーストラリアとおなじで、ふえすぎたのは、人間のせいだ。
おおくの野生動物が、たべるためではなく、ただころされている。
人間に、そんな権利があるのかと、ふたたびおもう。

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posted by カルピス at 21:55 | Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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