2020年12月12日

『おすすめ文庫王国 2021』いつもにましてテキトーな座談会

ことしも『おすすめ文庫王国 』の時期になった。
2020年に出版された文庫本のベスト10を
「本の雑誌」がきめていく。
といっても、職員の座談会によりえらばれるので、
例によってかなりいいかげんだ。
ことしは、例年に輪をかけたテキトーさといえる。
それまでのはなしあいで、時間をかけながら
職員がひとりずつベスト10候補をあげていき、
ランキングをきめてきたのに、
編集B あ、忘れてた。グレゴリ青山さんの『京都深堀りさんぽ』。
 おもしろいんだよね。表紙も可愛いし、ぜひ入れてください。
営業B もう一冊出してきた(笑)
編集A 隠し玉。いいんじゃないですか。じゃあ、
 それが六位で『地下鉄道』を九位に入れれば・・・。
発行人 よし、決定!

は、ないんじゃないかとおもう。
ちなみに、わたしがことしよんだ本は、ランキングされなかった。

毎年たのしみにしているジャンル別ベスト10が
なぜかことしはなくなってしまった。
海外ミステリーなど、参考にさせてもらっていたので、
どのジャンルもそっくりなくなったのは残念だ。
そのかわり、Bリーグ(文庫を出版している会社を、
Jリーグにみたてて順位をつけていくもの)はつづいている。
なぜその順位になったかの総評がとてもくわしく、
本家である文庫ベスト10よりちからをいれているのではないか。

興味ぶかかったのは、東京堂書店神田神保町店の店長を
昨年までつとめてきた河合さんが、
お店のベスト150を説明されている特集、
「手間暇かけた棚が生む個性派ランキング」。
神保町店は平台がすくないのが特徴で、
そのぶん文庫棚がじゅうじつしており、
すべての出版社の文庫をそろえているそうだ。
ベスト1がつげ義春の『つげ義春日記』というから、
かなり特徴のあるうれかたをしているお店なのだろう。
わたしがよんだ文庫は、ベスト150のなかに2冊しかなかった
(単行本でよんだものをのぞく)。
そのなかの1冊が『つげ義春日記』だったから、すこしうれしい。
ーー平台で面陳されているものから売れる印象ですけど。
河合 いやいや。実際に、棚からばかすか売れていきますよ。(中略)新刊を置くと棚差しから動くんです。売上占有率と棚構成率がマッチするように直していました。売れないのにたくさんおいてある、売れるのに少ない、というのは気づかないうちに起こるんです。
ーー気をつけてきたことは?
河合 平日は毎日来てくれるお客様が多いので、同じことをやっていたら飽きられて、売り上げは伸びません。入り口のすぐ右側の柱のところは、ほぼ毎日置く本を変えていました。

こうした工夫をかさねているお店は、
本がうれないといういまの時代でも
お客さんに支持されているだろう。

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posted by カルピス at 16:19 | Comment(0) | 本の雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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