どーせたいしたタイムはでないし、と
気のりうすではしっていて、時計をみたら、
なんとか3時間半をきれそうだ。
懸命にラストスパートをかける。
夢だから、自由自在にからだがうごき、
いくらでも足をはやくうごかせる快感がすごい。
現実では、ヨタヨタとしかあるけないのに、
夢ではあるけるし、はしれる。やがてふっと体がういて
気がつけば、空をとんでいる、というはなしのながれは、
きょねんの「きらクラ」で朗読された
『わすれられないおくりもの』をおもいだす。
年をとり、もうすぐ死をむかえるアナグマが、
ある夜、夢をみると、わかいころのようにはしりまわわっている。
やがてからだがうきあがり、トンネルのさきにむかい、
宙をとんでいく、というはなしだ。
夢から目をさますことなく、アナグマは息をひきとるのだけど、
わたしが死ぬときも、こんかいの夢のように、
ありえなスピードで いつまでもはしりまわれたらうれしい。
長距離ランナー冥利につきる最期だ。
1月も11日となり、ようやく日常がもどってきた。
年のくれからお正月にかけて、どうしてもへんな期間となる。
「あけましておめでとうございます」をいわなければならないし、
テレビやラジオの番組がかわり、新聞の紙面もいつもとちがう。
この「いつもとちがう」のがわたしは苦手で、
なんとなくうきあしだったかんじがいやだ。
年末スペシャルはいいけど、新春特別企画はいや、と
自分でも どこらへんで線をひいているのかわからないけど。
11日となれば、たいていのことがもとにもどってきた。
もう「おめでとう」とはいわなくていいし、
職場での仕事もいつものくりかえしがはじまる。
平凡な日常が、いつものようにくりかえされるしあわせ。
いつまでもつづかないことはわかっていても、
いつまでもつづくことをねがっている。
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