2021年01月28日

生活習慣病というものはない『「健康」から生活をまもる』(大脇幸志郎)

『「健康」から生活をまもる』
(大脇幸志郎・生活の医療社)

「健康」でおどろかされ、症状がでてないのに薬をのまされたり、
やせるようにダイエットや運動をもとめられたりしがちだけど、
じっさいは、科学的な根拠にとぼしい、ということが
12章にわたってかかれている。
尿酸値やタバコと どうつきあうかは、
自分の人生なのだから、きめるのは自分、
という態度がつらぬかれており 気もちいい。

「生きかた上手」の日野原重明さんにより、
成人病とよばれていた病気が、生活習慣病にかわった。
いかにも もっともらしい命名で、
わたしなんかは感心したものだけど、
大脇さんは「生活習慣病というものはない」という。
わたしたちは、もっと自由に生活してもいい。
それには「健康」から生活をまもる必要がある。
 病院に行くと「もっと早く来ていれば目が悪くならなかったのに」と言われるかもしれない。ならば「いまさらどうしようもないことを言わないでください」と答えるのは人間として当然の権利だ。あるいは「もっと治療に協力してくれないと困ります」と言われるかもしれない。それには「怒られると通うのが嫌になります」と言うのが人間として当然の返事だ。主役は自分なのだから。
 なんでも医師の言うとおりにしないといけないと思うのは迷信だ。
 生活習慣病というものはない。生活を自由にするために病院がある。病院のために生きる必要はない。

病院で「やせたほうがいい」と言われても「やせないから来たんですが」と返せばいい。(中略)
 世の中には太った人をいじめなければどうしても気が済まない人たちがいて、統計をいじくり回しては、肥満であの病気もこの病気も増えると楽しそうに言い合っている。

「チャリダー」(NHK-BS)で、
体重が100キロ前後のお笑い芸人に参加してもらい、
自転車で健康なからだをつくろうという企画があった。
100キロも体重があるし、ひごろうごいていないので、
自転車をこぐとすぐにつかれてしまう。
1年ほど時間をかけて、すこしずつからだをならし、
最終的には 100キロのコース(箱根まで)に自転車で挑戦する。
いかにも健康をかんがえたような企画だけど、
大脇さんの視点からすれば「よわいものいじめ」だ。
ふとっているひとは、健康の道からはずれた問題なひと、
と位置づけられ、改善のための努力をもとめられる。
本人がやせたいのなら、自分の意思でやせればいいけど、
まわりがそれをもとめると、ただのいじめになってしまう。
食事や健康は迷信にみちており、
健康から生活をまもらないと 自分の人生を自由にいきられない。
この本は、健康のとらえ方を、おおきくかえてくれる。

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posted by カルピス at 21:36 | Comment(0) | 健康 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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