「歓送迎会できるだけ行(おこな)って」という
丸山知事のよびかけがのっていた。
丸山知事は、このところ注目のひとなので、
新型コロナウイルスがらみの発言は、よくとりあげられる。
こんかいは、飲食店を支援するためのよびかけで、
「全国的には飲食店が主要な感染経路かもしれないが
県内ではそうではなく、とりわけリスクが高いわけではない」
とはなしている、とある。
記事がわたしの気をひいたのは、
「できるだけ行って」の
「行って」によみがな「おこな」がそえられていたからだ。
ほかの漢字にはおくりがながなく、
「行って」だけにつかってあるので目をひいた。
県が、丸山知事の発言を文章で発表したのなら、
そしてそこに「行って」と、漢字がつかわれているのなら、
新聞の記事にするとき、そのまま漢字にするはわかる。
発表の原文を尊重するのは当然だ。
でも、こんかいの場合は、知事の発言を
そのままことばとして紹介するのだから、
記事にするときはひらがなにすればいい。
わざわざ「行って」と漢字をつかう意味がわからない。
松江総局に電話して、なぜ「行って」に
ふるがながつかってあるのかたずねた。
「いって」によみまちがえられやすいから、というこたえだ。
そうだろうとおもう。でも、まちがえやすいのなら、
はじめからひらがなで「おこなって」とかけばいいのに、
なぜあえて よみまちがえしやすい「行」にしたのかわからない。
電話にでた方は、わたしがかいた記事ではないので
確認はできませんが、とことわってから、
担当記者がどんな意図で漢字にしたのかわからない、
ひらがなをつかえばいいというご意見は
そのとおりだとおもう、といわれる。
新聞は基本的に常用漢字でかかれていて、
それ以外の漢字についてはふりがながつかわれる。
「行って」はよみかたがわかれるので、
ふりがなをつかうことがときどきあるそうで、
そこらへんの判断は、担当記者にまかされているらしい。
上司がそれをチェックしたうえで記事になる。
「できるだけおこなって」では
ひらがながつづきすぎる、という判断があったのだろうか。
「行」のように、おくりがなに気をつけても
よみまちがえしやすいのなら、漢字をつかわず
ひらがなでいけばいいのに、とおもう。
一般的には、活用によっておくりがながわけられるけど、
それでもまちがえやすい漢字があるのはたしかだ。
ただでさえ おくりがなはまちがえやすいのだから、
わざわざおくりがなをふるのではなく、
はじめからひらがなでかけばいい。
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