がのっていた。
大腸がんを切除した後に抗がん剤治療をしたグループと、手術をせずに抗がん剤治療をしたグループでは、生存期間の中央値が役2年2ヶ月で、有意差がないことがわかった。(中略)金光幸秀・大腸外科長は、「抗がん剤治療を速やかに開始し、手術による無駄な負担を減らすという点で患者にとってメリットがおおきい」と話す。
89歳になるわたしの母は、2014年に大腸がんの手術をうけた。
たべたものをうけつけず、すぐにはくようになり、
はじめはかかりつけのちいさな病院にいっていたけど、
点滴をうけるだけで、みるからに 根本的な治療となっていない。
そのうちなにもたべなくてもはくようになり、
これはさすがにおかしいと、市立病院へいくと、大腸がんだった。
たべたものが、あきらかにつまっているのだから、
もっとはやくわかって あたりまえなのに、
ひどくなるまでほったらかした かかりつけ医に腹をたてる。
手術は成功し、母は抗がん剤をのむことなく、
2週間ほどの入院のあと、家にもどってきた。
はじめこそ、消化にいいものをと、気をつけていたけど、
そのうちなんでもたべられるようになり、
手術から7年たったいまもげんきにくらしている。
年齢のせいで、できなくなったことはおおいけど、
わたしたちとおなじ品数をたべ、量もそんなにすくなくない。
老人の食事は、栄養不足になりがちと よくいわれているけど、
母ほどたくさんの肉や魚をたべている89歳は そういないのではないか。
記事にあった「手術による無駄な負担」という表現が気になる。
手術をうけなくても、抗がん剤だけでおなじだけの効果があるのなら、
手術をしないほうがリスクがすくない。
いままでの治療方針はなんだったのかとおもう。
抗がん剤は副作用が気になるところだけど、
抗がん剤にも分子標的治療薬があって、
なんていわれると、ますますややこしい。
できるだけからだにメスをいれないほうが、
とくに高齢者の場合、からだへの負担がすくないのはよくわかる。
母は、高齢になったいま、自分で料理をすることはあまりないけど、
身のまわりのことはぜんぶひとりでできる。
たべて、排泄し、お風呂にはいり、洗濯物もほす。
ちかくのスーパーへかいものにでかけるし、
リサイクルのプラスチックをだすのも自分の役割としている。
テレビでは、声をあげてわらい、相撲をみると、おおきな声で応援し、
新聞にのるクイズを毎週たのしみにしている。
ネコを外にだしたと、むすこであるわたしが文句をいっても、
深刻にとらえずに、いつも機嫌よくすごしている。
客観的にみて、たいした人物だといわざるをえない。
大腸がんがすんなりなおったのも、
母のまえむきな性格が いいようにはたらいたのではないか。
いろんなことに感謝しながら、おだやかにくらす。
他人でこんなひとをみかけたら、わたしは絶賛するだろうに、
いっしょにくらす母にたいしては、そっけない態度ばかりをとる。
それができるのも、家族のいいところ、といいわけしながら。
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