2021年05月12日

「東京五輪に反対しないアスリート」(西部謙司)に共感する

サッカーライターの西部謙司さんが、
「東京五輪に反対しないアスリート」というタイトルで、
日本のトップアスリートたちが
オリンピック開催に反対しない不思議をとりあげている。
https://www.sponichi.co.jp/soccer/yomimono/column/nishibe/
プレミアリーグではキックオフ前に人種差別に抗議して片膝をつくポーズを全選手がとっている。CLでも行われていて、人種差別という社会問題に対してアスリートたちは明確な意思表示をしているのだ。

西部さんが指摘するように、日本のアスリートたちは、
自分の意見をはっきり口にしない。
こんかいだけでなく、自分のかんがえをのべることへの
ためらいや遠慮がある。
ずいぶんまえに、モスクワオリンピックを
日本政府がボイコットするときめたとき、
選手たちは、賛成とか反対ではなく、
残念だという気もちをあらわすのが精一杯だった。
柔道の山下選手が、なみだをながしながら、
くやしがっていた記者会見をおぼえている。
それをみて、山下選手に共感するよりも、
自分たちを被害者のようにいう
トップアスリートをなさけなくかんじた。
スポーツと政治をいっしょにしないでほしい、
という うったえをよくきくけど、
スポーツと政治がいっしょでないわけがない。
スポーツがおこなわれる状況には、
その国のありかたが そのままあらわれている。
もちろん政治もおおきな影響をおよぼすにきまっている。

東京五輪にむけた政府の態度でいやなのは、
だいじなことをはっきり説明せず、
うやむやに、のらりくらりと、開催にむけて
時間をかせいでいく ぬめぬめしたやり方だ。
こういう状況になったらやります、という説明はなく、
とにかく感染拡大をふせぎます、みたいな
あたりまえのことをくりかえすだけ。
ふつうにかんがえれば、オリンピックなど
できる状況ではないのに、あいまいなことばでごまかしながら、
中止にするとはぜったいにいわない。
いまの状態で五輪をとめるには、
底がぬけたレベルまで感染がひろがることだけど、
そんな状態をのぞむなんて もちろんまちがっている。
ウンコなげ競争の勝者は、ウンコをなげないこと、と
村上春樹さんがだれかのことばを紹介していた。
政府の茶番につきあわされるのが むなしくなってくる。

スポンサードリンク



posted by カルピス at 21:36 | Comment(0) | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: