攻撃開始の時間がきまると「時計をあわせろ」と声をかけあって、
おのおのが自分の腕時計を正確な時間になおす場面がある。
そして、秒針がちょうど「12」にかさなったとき、
いっせいに爆撃が開始され、味方はそれにあわせて突撃する。
たとえば11時10分に爆撃開始だったら、おおよそ10分なのではなく、
1秒のくるいもなく、ぴったり10分を意味する。
ドラマだから、リアリティをだすための演出で、
冗談みたいなものだろうとおもっていたけど、
ああいう場合、秒まで正確にあわせてないと、
味方の爆撃をうけて ひどいめにあうかもしれない。
戦場では、秒針のあるアナログ時計がどうしても必要だった。
正確にうごく時計でないと生死にかかわる。
わたしの腕時計は、ふつかで1秒くらいすすんでしまうので、
ずっとほったらかしていたら、3分もずれてしまった。
時計がおくれると不自由だけど、すすむ分にはあんがいこまらない。
とはいえ、このままほっておくと、実用にさしつかえるので、
おもいたって秒針まできちっと時刻をあわせてみた。
ラジオをきいていると、1時とか2時とかのきりのいい時間に、
ちょうどその時刻になったとおしえてくれる。
自分と腕時計と、ラジオがつげる時間が
ぴったりいっしょなのは気もちがいい。
こまかなところまで 目くばりのいきとどいたひとに
うまれかわったような気がしてくる。
有能なスパイにもなれそうな、クールでタフな男。
なんねんかまえは、腕時計をつけるのがわずらわしかった。
携帯電話をもつようになってからは、腕時計なしですませ、
そのほうが便利だとおもっていたけど、
じっさいは、時刻をしるために
いちいち携帯電話をとりだすのは意外とめんどくさい。
けっきょく、時刻には腕時計、そのほかはスマホと、
機能をかぎったほうがすっきりすごせることがわかった。
正確な時計とスマホがあれば、
たいていの仕事はきっちりこなせる、ような気がする。
サッカーでは、ポリバレントとか
ユーティリティプレイヤーとかいって、
複数のポジションができる選手を評価する傾向にある。
センターバックを専門にやってるけど、
いざとなればボランチもできます、
という選手のほうが監督につかわれやすい。
でも、おれは右のサイドバックしかできないよ、
という選手には、愚直に生きているかっこよさをかんじる。
日本人はあんがい「それしかできない」という
あまり器用でない選手がすきなのではないか。
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