話題のひとつが、月4万円で、日本じゅうに点在している貸家に
すみほうだい、というサービスだった。
いまはやりの、サブスクリプションの住宅版だ。
廃校を利用した家とか、海や山をたのしめる家とか、
それぞれに特徴があり、たった4万円でとまり放題はやすい。
日本のあちこちを旅行しながら、滞在費は格安におさえられる。
家族ができたり ネコをかったりすると、
気がるにとまりあるくわけにはいかないかもしれないけど、
たった月に4万円で、ホテルや旅館にとまる気分が
ずっと味わえるなんてすごいサービスだ。
部屋をでるときにそうじをする、というのがきまりだそうで、
それにしても4万円でつかい放題といわれると、
ぜんぶの家を体験したくて なやましくなってくる。
アジアの国を旅行したとしても、
いちにち1300円でとまれる快適なホテルはそれほどない。
もともとは、日本でふえているあき家対策として
かんがえられたサービスだそうで、
いろんなひとがきてくれたら、町おこしとしても期待できる。
いまの日本は、あるていどのお金さえはらえば、
やりたいことはなんでもできる国になっている。
だいじなのは、自分がやりたいことがなにか、ということだ。
日本各地をまわりたいのか、土地のたべものをたのしみたいのか、
地元のひとたちと交流したいのか。
地元の空港から、韓国や香港への定期便ができたとき、
あまりにもゆたかな選択肢がしめされ、
いったいわたしはどこへゆきたいのか、
なにがしたいのか、わからなくなったことがある。
どこへいくのも、そんなにたかくなく、
お金では、差がつかないので きめてにならない。
そもそも、やすいからいきたい、というのはすこしへんだ。
いきたいから、いく、であったほうがいい。
やりたいことが、たいしてお金をかけなくてもできる国。
わたしはなんでもできるはずなのに、
いったいなにをしたいのだろう。
年金をもらえる65歳まではたらいて、と
漠然とおもいえがいていたけど、
そんなのは、ただのおもいこみにすぎない。
やりたいことがわかっていれば、
仕事は最小限におさえ、たのしみのために
のこりの時間を有効につかえる。
サブスクリプションというサービスにふれると、
なんでもできるがゆえに、自分がやりたいことはなにか、
の判断をせまられる。
映画や音楽、そして住宅まで、なんでも手にはいる状況に、
わたしは途方にくれている。
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