優良運転手ということで、30分の講習だけで
5年間有効のゴールド免許を手にする。
講習では、飲酒運転の危険性や、
シートベルト着用の映像をみせられる。
飲酒運転はもちろんよくないけど、
ただ「危険です」といわれても、
アルコールがどれだけ判断能力をうばうのか、
じっさいに体験しないと こわさはわからない。
わたしは、「飲酒運転」をしたことがあり、その経験で、
飲酒がどれだけ運転能力をうばうかが、よくわかった。
かなりよっぱらい、でも、よってるから なおさら「まだ大丈夫」
とおもっている状態で ためしに大学の構内を運転してみた。
大学4年生のころのはなしだ。
いくら構内といっても、あぶないことにかわりはないけど、
でもまあ道路じゃないんだからと、友だちをとなりにのせ、
ゆっくりとはしりだす。夜だし、まわりにひとはいない。
ゆっくりなのに、十字路をまがるのも、クランクっぽい
ジグザグの通路も、まるでうまくはしれない。
こんなにも自分の意識と運転に差があるものかと、
よったわたしでもおどろき、つよく印象にのこった。
わたしが飲酒運転をしないのは、
たぶんこのときの体験をわすれられないからだ。
無理を承知の提案だけど、飲酒運転をなくそうとおもったら、
飲酒運転の経験が、いちばん効果があるのではないか。
じっさいに飲酒運転をしてつかまり、あるいは事故をおこし、
とりかえしがつかなくなるまえに、
飲酒運転を経験しておおけば、あやまちをおかさなくてすむ。
「飲酒運転をやめましょう」のビラを道路でくばったり、
免許をとるときや、きょうの講習のように、免許の更新のとき、
飲酒運転の危険性にふれるより、
じっさいに飲酒運転を体験するほうが効果的だ。
22歳のときの体験が、その後、40年ちかくたっても、
いまだにこりたままなのだから、その効果は絶大だ。
ついでにいえば、わたしがドラッグをやらないのも、
わかいころハシシでわるよいした経験があるからだ。
モロッコを旅行ちゅうのことで、
その道にくわしい友だちといっしょに、
水パイプみたいな装置でハシシをすった。
なかなかよいがまわらないので、調子にのり
なんどもふかくすいこんだら、いっきにきた。
わたしはふだんタバコをすわないので、
からだがこの手のよいになれていなかったのだろう。
トリップするというより、自分の頭とからだがコントロールできず、
気もちわるくて、そのあと3日くらいフラフラしていた。
わたしのからだに薬物があわないことがよくわかった。
それにこり、あそびで薬に手をだす気にはとてもなれない。
わかいころにハシシを経験しておいてよかったとおもっている。
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