「めちゃめちゃに運動して金属の円盤を首にかけられると嬉しいのか」
(大北栄人)がおもしろかった。
https://dailyportalz.jp/kiji/to-get-a-metal-medal
なんであんなに金、銀、銅、金、銀、銅、と金属種を言ってるのだろうか。もしかしたら運動して首に金属の円盤状のものをかけられる行為にはものすごい良さがあるのだろうか。
だとしたら一度やってみないといけないのではないだろうか。
ためすにあたり、なんの運動でもいいとはいえ、
野球やサッカーではこのみがでてしまうので、
ここではバスケットボールほどのおおきなダルマを
いろいろうごかす運動に大北さんがとりくむ。
時間は1分間。
気温34.8℃でのダルマまわし1分はきつそうだ。
服には日の丸をぬいつけてある。
応援をうけるとちからのはいり方がちがうのだという。
遠くからカメラマンである安藤さんから声が聞こえる。自分がオリンピック選手のようなイメージを抱く。故郷の人も応援しているのだろうなと。
するとこれは個人戦ではなく団体戦であるように思えてくる。自分の体ではなくみんなの体のような気がしてくるのである。
今だるまを持ち上げる力を抜くのは簡単だ、だがそれは個人の考えによるもので許されないだろう。この体は所属している集団のものなのだから。
そして、いよいよごほうびとして、首に金属の円盤をかけてもらう。
なんとなく、銅より銀、銀より金のほうが
ありがたくおもえてくる。でも、この気もちはほんものだろうか。
ためしに、蛍光ピンクの円盤をかけてもらう。
しかし、なんとなく納得いかない。
それではと、1万円札を首にかけてもらう。
「一分で一万円だからすごいよ!」と安藤さんは言う。たしかに総理大臣クラスの時給だろう。だが納得はいかない。お金に換算されている違和感がある
金じゃねえんだ…という思いがある。この競技がなんなのかはわからないのに
ほかにも鍋のふたをためしたあと、
こんどは花を首にかけられた。
花か〜!! これがなんでかはわからないがめちゃくちゃ膝に来た。もう体力が限界に近かったのだろう
花はたしかにうつくしいけど、
花ですまされると、やはり納得できない感情がわいてくる。
そしてつぎは、まるくてたべられるせんべい「雪の宿黒糖みるく味」。
大北さんがだいすきなおかしだけど、圧倒的に納得できない。
でもこれが雪の宿だからだめだと言ってるわけではない。王様しか食べられないキャビアの缶詰めであってもきっと納得いかなかっただろう。食べられるからダメなのだ。実利がともなってはいけないのである。
金属は食べられない無駄なものであり象徴であるからこそいいのだ。
なんだかんだあって、表彰が無事におわり、
大北さんは金メダルを胸にかけて事務所を表敬訪問する。
「かじるんですか!?」と鈴木さんは何も言わないでもわかってくれた。それほどに話題の一件だったのである。
そしてかじっていただいたところ、これが何の競技かもわからないし、真鍮の安い自作の金メダルではあるのにも関わらず、なんとなくげんなりするものがあった。
先程までその価値がどうとか、自分の身体は自分のものではない、みんなのものだとか色々ごたくを並べて葛藤してきたもの。それを知らないおっさんが噛む。ああ、こういうことか、と一瞬で理解をした。
オリンピックとはなにか。まとめてみると、
運動して1位になると金メダルがもらえる。
日の丸を背おうと、団体戦のような気がしてがんばれる。
メダルではなく、お札や花、ましてや おかしでは気もちがなえる。
ここはやはり、ありがたみのある、
比較的ちいさめの金属でできた円盤がのぞましい。
もらった金メダルをしらないおっさんにみせたら、
うっかりかじられてしまうかもしれない。
オリンピックの本質を、ダルマをうごかす運動によって
みごとにえぐりだす 会心の記事にしあがっている。
大北さんと安藤さんのコンビから目がはなせない。
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