11月の第3木曜日、つまりボジョレーの解禁日に、
その年のボジョレー=ヌーボーをくばる。
わたしたちの事業所をご利用いただきありがとうございます、
という意味の純粋なプレゼントだけど、いまだにときどき
「いくらはらえばいいですか?」ときかれたりする。
くばる側の職員は、どんな仮装にするのか
まいとしなやまなければならず、なかなかたいへんな企画だ。
気らくに、まえむきにこの行事をとらえ、
たのしむ職員もいるけど、わたしにはかなりのプレッシャーだった。
いいアイデアをおもいつかないので、
ことしはできれば配達のペアからはずしてほしい、
と担当者にたのむと、あっさり了解された。
仮装して出発する職員をおくりだし、
るすばん(利用者と電話の応対)として事業所にのこる。
ことしは、2組のペアで寅さんがかぶっていた。
寅さんをめぐるなにか話題があったのだろうか。
芸能関係にうといわたしには、
いったいなんの仮装なのかわからないペアもある。
職員たちはいまやまいとしの仮装になれ、淡々と準備をすすめ、
淡々と利用者さんのおうちをたずねたようにみえる。
るすばんにまわったわたしは、とくに手もちぶたさでもなく、
第三者として仮装の企画をながめられたのは、いい体験だった。
なぜ仮装するのか、なぜボジョレーなのか、と
いくらかんがえてもこたえにはたどりつかない。
そんなもんだ、と世のなかをまるごとうけいれるのが
この行事とうまくつきあっていくコツなのがわかった。
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