4日間すごしたのち、けさまた東京へむかう。
息子がいない2年間は、なんともおもわなかったのに、
玄関でわかれたあと、きゅうにさみしさが胸をかすめる。
こんどあうのは、いつになるだろう。
2年ぶりの帰省だったのは、もちろんコロナのためだ。
そのあいだに息子は大学を卒業し、仕事をきめ、
ことしの4月から東京でのひとりぐらしをはじめている。
かえってきたら、いろいろきこうとおもっていたのに、
いざ顔をあわすと、いまさらなような気がして
あまりはなしをしなかった。
家族でいっしょに食事をしたのは、4日間で2回だけだ。
わたしがつくったおでんと餃子を たべさせてやれてよかった。
家族4人ででかけた焼肉屋では、
はじめウーロン茶をのんでおきながら、
息子がそのあとビールも注文したのにおどろいた。
ウーロン茶のあとのビールって、おいしいのだろうか。
おもわぬところで 意外な息子の一面をしる。
台所にある時計は、朝のいそがしいときなど、
すこしすすんでいるくらいがたすかるものだ。
はじめは5分ほどはやかった時計だけど、
ほっておくうちに、「くるい」はすこしずつすすんでゆき、
とうとう18分もはやい時刻をさすようになっていた。
その時計を、息子が正確な時間になおしてしまった。
18分もすすんでいる時計をなおすのは
彼にしてみれば、当然のことだったろう。
4日間とみじかかった息子の帰省だけど、
正確になった時計は、おもわぬおきみやげとなった。
息子の不在をさみしがりながら、
しばらくは時計をみるたびに息子をおもいだしそうだ。
なれてくると、あたりまえながら
正確な時をおしえてくれる時計のほうが 便利だとわかった。
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