まえから骨粗しょう症といわれ、月にいちど、
カルシウムの注射をしていたのに、骨折はふせげなかった。
からだにあわせたコルセットをつくってもらい、
ずっとそれをつけたまますごす。
さいわい3週間もしないうちに退院できたけど、
圧迫骨折をおこすまえはできていたこと、
洗濯や食器あらいはいまのところわたしがかわりにやっている。
こんなふうに、このさきだんだんと
できなくなることがふえていくのだろう。
わたしは死ぬまでなんでも自分でできるつもりでいるけど、
ふつうにかんがえて、そんなことはありえない。
どこかの段階で、がっくりちからをおとすか、
母のように じわじわとひとのたすけが必要になるのだろう。
ひとりぐらしのひとは、ヘルパーさんのお世話になればいい、
とかるくかんがえていたけど、ひとの手をかりても
いまとおなじ生活がたもてるわけではなさそうだ。
歳をとれば、ものごとのとらえかたを現実にあわせ修正し、
できることをありがたがってくらせるようになるだろうか。
そうとおくない将来、母は本格的に介護が必要となり、
食事や排泄もひとりではできなくなるだろう。
わたしの生活も、それにともなってかわらざるをえない。
親の介護とむきあう生活から、目をそらせなくなった。
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