2022年07月22日

『PLAN75』老後って、あんなにくらいだけなの?

『PLAN75』(早川千絵:監督・2022年・日本)

75歳以上のひとは、自分で死をえらべる、
というちかい将来の日本が舞台になっている。
歳をとり、くらしがたいへんになった老人のなかには、
一時金の10万円をうけとり、死ぬまえにほんのすこしたのしめたら、
この世とおわかれするのもわるくないか、というひともでてくる。

医療費や介護費のやりくりになやむ行政にとって、
財政的には一理あるかんがえ方なんだろうけど、
倫理的な点からも、問題にみちた制度にみえる。
それにしても、高齢期をむかえるのは、
こんなに悲惨なことなのだろうか。
つらい日々をすごしているひともいるだろうけど、
老後をたのしんでいるひとだってすくなからずいるはずだ。
作品では、おいのみじめな面ばかりがえがかれるので、
みおえたあと、くらい気もちになった。
お金があれば、「PLAN75」なんかに
もうしこまなくてもよさそうだし、
年金がすくなくても、あるだけのお金で
それなりにくらしていけばいいのに、におもう。

主演の倍賞千恵子さんは78歳という設定で(実年齢は81歳)、
寅さんのさくらでしられるあのきれいな倍賞さんが、
歳をとるとあんなにも「老人」になるのか、とショックをうける。
ホテルの清掃スタッフとしてはたらく場面が冒頭にあり、
倍賞さんのあまりにも歳おいた表情が衝撃的だった。

わたしは漠然と75歳くらいまで生きられたらいい、と
おもっているし、ひとにもはなしてきた。
映画をみたあと、いみじくも、
自分が75歳で線をひいていたことをおもいだした。
なんで75かというと、年金をうけとれる 65まではたらいて、
そのあと10年ゆっくり老後をたのしめたら、
そろそろ死んでもくいはないだろう、くらいな計算だ。
75歳という年齢が、映画みたいにくらいだけとはおもいたくない。

スポンサードリンク



posted by カルピス at 20:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック