ちいさな休憩所をとりあげていた。
清流でしられる高津川が目のまえをながれている。
うどん・ラーメンなどの自販機がおいてあるだけなのに、
なぜかたくさんのひとがおとずれるのだという。
島根にすんでいると、うどんの自販機なんて
べつにめずらしくないとおもっていたけど、
ほかの地方ではあまりみかけない機械らしい。
この休憩所には、50年以上まえから、おなじような機械が、
おなじようなうどんとラーメンをだしつづけているそうだ。
ありそうでない うどんをたべに、とおくからおとずれるひと、
「むかしとおなじ」がなつかしくて、
ちょくちょくたべにくる地元のひと。
なぜこの休憩所にくるのかを、番組スタッフがたずねると、
こたえるひと みんながそれぞれにものがたりをもっていた。
男2人ずれできていたひとは、ふたりともUターンのひとだ。
ひとりは3年まえ、もうひとりは1ヶ月まえにもどったばかりだという。
もどった理由をたずねられると親の介護だという。
孤独死はさせられない、感謝の気もちがあるから、という。
そんなプラーベートなことをいきなりきくな、
みたいな質問をスタッフがしても、
みんなストレートにこたえている。
さすがに島根だ。
みかけは派手なカップルは、男性が青汁をつくる会社、
女性は保育園の調理をしているという。
ふたりとも、しっかり自分たちのこれからをかんがえていた。
べつのわかい男性にマイクをむけると、
東京から(取材に)きたんですか?
もうコロナにかかりました?と
逆取材してくるのがおかしかった。
まだかかってない、とスタッフがこたえると、
あれだけ感染がひろまっている東京でも、
かからないひとっているんだと、すごく感心していた。
地元のおじさんは、わかいころをおもいだしてこたえていた。
このへんには、ディスコなんてないから、なにもすることがなく、
しかたなく仲間と海辺をドライブし、さいごにこの休憩所で
うどんをたべるのが「しめ」だったそうだ。さすがに島根だ。
こんな地味な休憩所がいまでも愛され、
それぞれのひとがひそかに愛情をそそいでいる。
島根らしさのにじむ、いい番組だった。
スポンサードリンク