もちろんただしくは単行本としての
『成瀬は天下を取りにいく』が受賞したのだけど、
成瀬ファンにとっては、じっさいに存在する成瀬が
賞をうけたようにおもえる。
本屋さんへいくと、本屋大賞関連の棚がもうけられ、
成瀬の2冊が山づみになっている。
まえの記事にもかいたけれど、
ざしきわらしさんの挿画がすばらしい。
本のうれゆきのいくらかは、表紙の効果なのでは。
『成天」のとき、成瀬はまだ中学2年生だ。
鼻に手をあて、キリッと前をみる成瀬のまなざしは、
すこし狂気をかんじさせる。
好奇心だけでは一夏を西武百貨店にささげられない。
いっぽう『成信』の成瀬は、おちつきはらい、
すずしげな目をしている。
成瀬あかりは、自分が本屋大賞を受賞したことについて、
どんなコメントをのこすだろう。
関係者の協力に感謝するか、
それともまったく意にかんせずの態度をとるか。
この受賞で、おおはばに増販がかさねられ、
さらに成瀬ファンがふえていくにちがいない。
わたしから、とおい存在になっていきそうで、
すこしさみしい気もする。
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