キャロル=オコンネル・務台夏子:訳
創元推理文庫
いやー、キャロル=オコンネル、いつもながらすごい。
ストーリーが複雑にいりくみ、さいごのさいごまで
どこにつれていかれるのかわからない。
よみおえてしばらくは、至福の時間をすごせたよろこびにひたった。
ミステリーのおもしろさを堪能させてくれる一冊だ。
務台夏子氏の訳もすばらしく、よくこなれた日本語にたすけられ、
オコンネル作品の奥ぶかさを ぞんぶんに堪能できた。
作品についていろいろかきだしてみたものの、
わたしには、この作品をかたるちからはないようだ。
川出正樹氏がみごとな解説をよせられているので、
その引用をもってこの作品の紹介としたい。
自信をもって断言しよう。およそ〈物語〉が好きな人であるならば、この本を読まないという選択肢はない。ミステリに興味がないとか、翻訳小説が苦手だとか、そんな些細なことは関係ない。この小説の懐は、とてもとても深いのだ。
スポンサードリンク