2021年08月22日

『FAMILY GYPSY/ファミリー・ジプシー』家族4人で世界一周

『FAMILY GYPSY/ファミリー・ジプシー』
(高橋歩・A-Works)
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家族4人で世界一周したはなし。
旅行記ずれしてきたわたしは、
このたぐいの本に あまり手をださなくなった。
おもいがこめられすぎて、あまりおもしろくないから。
あるいは、自分がやっていることを
「すごいでしょー」とはしゃいでしまっているから。
著者が、自分の旅におもいいれするのは当然としても、
からまわりして、ごくふつうの旅行記になりがちだ。
でも、この本はおもしろかった。
よみやすいしあがりと、自分のかんがえを、
作者がありのままにさらっとかいているからだろう。
背のびせず、そのときの気分がくっきりと記録されている。
ちからのぬけかげんが絶妙で、たのしさがつたわってくる。

この手の本は、とかく たずねたところを順番にすべてかき、
なかなかよむ気がおこらないほど
めちゃくちゃこまかい記録になりがちだ。
高橋さんのこの本はかなりぶあつく、
なかなかひらいてみる気になれなかった。
でも、いったんよみはじめると はやかった。
左のページは写真、右のページは文章というレイアウトなので、
319ページを、ほんの2時間でよみおえている。
あっというまに世界旅行をした気になれた。
右のページの文章は、芸能人のブログみたいに
行間がひろく、文字数はあまりない。
だからといって、内容がうすいというわけではなく、
著者がつたえたいことと、本のレイアウトがぴったりあっており、
ぶあつくても すらすらとよみすすめられる。

「もし、なんでも夢が叶うとしたら、何をしたい?」
と高橋さんが妻のさやかさんにたずねたのが
旅のきっかけだった。
かるい話題のつもりだったのに、
はなしはすぐ実現にむけてうごきはじめ、
資金の準備やら自宅の整理やらをすすめる。
本をよみおえてしったのだけど、
高橋さんは、夫婦の旅行として 世界一周をすでに体験している。
こんどは子ども2人をつれてなので、状況がかわるとはいえ、
旅行のノウハウをじゅうぶんしりつくしている2人だ。
北米大陸とオーストラリアではキャンピングカーをレンタルし、
アジアでは安宿にとまってお金を節約する。
子どもがいるので、アフリカ大陸は、ケニアでのツアーと、
南アフリカだけにしぼる。
一生にいちどの旅行、という気おいはなく、
いまできることを、できるだけたのしもうという姿勢が
家族全員に共有されている。
4人はぶじ日本にもどってきたけど、
これからもずっと日本にいるとはかぎらない。
根っからの自由人として、高橋さん一家はくらしていくだろう。
こういう仕事がしたい=「職種」で仕事を選ぶんじゃなくて、
こういう生活ができる仕事=「ライフスタイル」重視で仕事を選ぶ。創る。

大好きな人たちと、笑いあって過ごすこと。
俺が求めているのは、結局、それだけかもしれない。

世界の平和を願うなら、
まずは、目の前のひとを大切にすることから。

いいことがあったから、元気なんじゃない。
元気にやってるから、いいことが起こるのさ。

若い頃は、お金をいっぱい稼いでリッチな暮らしをしたい、って頑張っていたけど、あるとき、なんか違うな、って気付いたの。
やっぱり、好きなもの、好きなひとに囲まれて過ごしたい、って想って。

著者のスケールのおおきさにふれると、
自分のちいささがいやになってくる。
日ごろ気になっているささいなことは、
ぜんぶどうでもよくおもえてきた。

posted by カルピス at 21:12 | Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月19日

気温のデーターで脳トレしても効果なし

脳トレには、記憶力を刺激するのがよさそうなので、
朝ごはんをたべながら新聞をみるとき、
まえの日の最高気温・最低気温、
それにくわえて、それぞれ例年との気温差を
ほぼ日手帳にかきこんでいる。
新聞の「気温と湿度」欄に、各地のデーターがのっているので、
松江について、4つの数字をしばらくにらんでおぼえたあと、
手帳にかきだし、ぜんぶあっていたら赤色で丸をつける。

おぼえやすい数字、たとえば30.0とか2.2なんて数字のときは、
すぐに記憶でき、わりとまちがえずにかきうつせる。あたりまえだ。
その反対に、24.1や27.9など、ちょっとややこしくなると、
何秒かけてもおぼえられない。
8月17日の松江は、最高気温26.3/例年との差-6.3、
最低気温22.5/例年との差-0.8/だった。
ほぼ日手帳にかきこんだ数字が、4つとも正解だったので、
記憶力がついたとよろこんでいたら、これは鳥取市の温度だった。
そもそもの、最初からあつがえている。
松江の温度についてやりなおすと、
こんどは4つのうち3つがまちがっていた。
記憶力がついてきたと、よろこんでいたのに、
記憶しやすい数字についてだけ、
おぼえるコツを身につけたにすぎず、
じっさいの記憶力はあいかわらず残念なレベルにとどまっている。
もう5年もこうやって毎朝しこしこと数字をおぼえていたのに、
まったく記憶力アップに役だっていなかったのは残念だ。
もっとも、もともとわるかった記憶力が、
さらにわるくなっていないだけでも、効果があった、
とかんがえることもできる。
ちからをつけられなくても、ちからをおとさないだけでとおとい。

ヒロシさんの「駅前迷宮グルメ」をみていたら、
タイのノーンカーイへでかけるはなしだった。
ラオスの国境にちかいこの町は、わたしもいこうとしたことがある。
「駅前迷宮グルメ」でも、まえにとりあげていたのをみた。
コロナ禍になってからは、あたらしい町にでかけられないので、
まえに放送した映像を再編集して、
国内編とあわせて放映するようになった。
再編成ものになってから、まだ1年ちょっとしかたっていないから、
さすがのわたしでも、よくおぼえているはずだ。
でも、番組をみても、うっすらと記憶している場面はあっても、
全体について、これはたしかにみた!と、
自信をもっていいきれるほどクリアーな記憶ではない。
けっきょく、夕ごはんをたべながら、
ほとんどはじめてとおなじように番組をたのしめた。
徳をしたような、なさけないような、へんなかんじだ。
わたしより、配偶者のほうが、まだおぼえていた。
ノーンカーイとか、ウドンターニー、コーンケーンなど、
きいたことがあっても、まだいったことがない町だと、
頭のなかでぐちゃぐちゃな記憶になってしまう。
どこへいっても、駅まえをぶらつき、
目についた食堂にはいる、というながれはかわらないから、
ますますどこの町のはなしなのかがわからなくなる。
いちどいった町は、記憶にしっかりのこる。
はやくまたタイの町をぶらつきたくなった。

posted by カルピス at 21:23 | Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月05日

おもしろくよんだ木村岳人さんの「カンボジアの車窓から」はもうよんでいた

ヒロシさんの『迷宮グルメ 異郷の駅前食堂』をよくみる。
コロナ禍の影響で、海外の取材は ほぼ無理な状況となり、
番組は、ずいぶんまえから国内編にとりくんでいる。
国内編と海外編の再放送をつないで1回分の放送、
という方針が、テレビ局のだしたこたえだ。

わたしにとって問題なのは、
まえにかならずみたことがある内容のはずなのに、
ほぼ記憶にないため、新鮮な気もちでみられることだ。
この番組は、おとずれる国や町がちがっても、
やることはだいたいきまっている。
駅のまわりを散歩して、おもしろそうな店をひやかし、
お腹がすいたころに、よさそうなお店にはいって郷土料理を注文する。
だから、わたしがわすれてもいいわけできそうだけど、
いっしょに番組をみている配偶者は、
この場面はみおぼえがある、となんどか声をあげる。
わたしには記憶にないことばかりなのは なんだか残念だ。
タイトルにあげられた国名にはみおぼえがあり、
確実にみたことがあるはずなのに、
こまかなことはすっかりわすれている。
完全におなじ番組をながしたら再放送になってしまうので、
番組のスタッフが気をきかせて、
撮影したものの、放映はしてない お蔵いりのデーターをつかい、
あらたにべつの内容を編集している、
という仮説をわたしはたてている。

もうひとつすきな番組である「チャリダー 」でも
おなじことがおきている。
「チャリダー 」は、毎週土曜日の6時からの番組だけど、
かならずあたらしい内容をながすわけではなく、
「チャリダー 選」として、過去の番組を
再放送することがよくある。
このまえは、2ヶ月まえの番組の再放送だったのに、
そのほとんどをわたしはわすれており、
はじめてみたかのように 番組をたのしめた。

きょうのデイリーポータルZに、再放送としてのった
木村岳人さんの「カンボジアの車窓から」をよみ、
https://dailyportalz.jp/kiji/161219198351
わたしもいったことがあるアンコールワットの記事など、
なつかしくなってブログにかきたくなった。
でも、なんだかまえにもかいたような気がして、
検索してみると、そのとおり、ちゃんと4年前に記事にしていた。

みた番組、よんだ記事をすぐわすれる、
というこの文章だって、どこかですでにかいたような気がする。
年をとってくると、なにをやっても新鮮な気もちでとりくめる。
だれにも迷惑をかけてないし、自分もたのしいのだから、
年をとるのは わるいことばかりではない。

posted by カルピス at 21:52 | Comment(2) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年06月14日

英語の勉強にもなる「ヒロシの駅前食堂」

ヒロシの駅前食堂のラトビア編をみていたら
(ただしくは、「迷宮グルメ異郷の駅前食堂」)、
ヒロシさんが駅のちかくで 撮影現場にでくわしていた。
女優っぽいひとに、スタッフがつきっきりでお化粧をしている。
ヒロシさんが「有名な女優さん?」
と ちかくにいた女性にたずねると、
「いずれね」(Will be)とこたえがかえってきた。
「Will be」。かっこいい 。
ただしいかどうかより、それっぽい、というのがだいじだ。
まさか「駅前食堂」が、英語の勉強になるとはおもわなかった。

ヒロシさんは、流暢に英語をしゃべらないので
テレビをみている側の人間も、自分のこととして、
ヒロシさんの旅行を追体験しているような気になる。
ヒロシさんは、おもしろそうな店があると、
「ジャパニーズTVプログラム、シューティングOK?」
とたずね、撮影の許可をもらう。
これが、意外とどこでも通用するのでおどろきだ。
ヒロシさんはこれまで英語圏の国へはいってないはずで、
でも「シューティングOK?」はどこでもまずつうじる。
撮影スタッフが、ヒロシさんのあとから
ぞろぞろついてまわっているので、
「シューティングOK?」といえば
だいたいわかってくれるのかもしれない。
もうひとつヒロシさんが得意なのは、
土地の料理を注文することで、
なんだかんだいいながら、結果的には
土地の名物料理がちゃんとでてくるからすごい。

わたしも、ろくに英語をはなせないけど、
旅行でつかう英語はたいていきまっているので
外国へいっても、食堂やチケットをかうのはなんとかなる。
社会情勢や宗教についてかたるわけではないし、
こちらがお客さん(お金をはらう側)なので、
むこうはなんとかこっちのいうことを理解しようとしてくれる。
ただ、もともとがひどい英語なので、
わたしがいっていることが、まったくつうじなくて、
なさけないおもいをすることがときどきある。
ヒロシさんは、そこらへんをじょうずにきりぬける。
ついてまわっている撮影スタッフには、
通訳のひともいるようなのに、
ヒロシさんがこまっていても、たすけてくれない。
ヒロシさんも、つうじないのがあたりまえとわりきり、
カタコトの英語でどうどうと質問し、
自分なりの解釈をのべ、ブツブツいいながらも
注文からしはらいまでを自分でのりきる。
わたしの印象では、おもしろさの傾向が、
アジア>西ヨーロッパ以外のヨーロッパ>西ヨーロッパ
の順になっている。
新型コロナウイルスがおちついたら、
ヒロシさんには東ヨーロッパへの旅にでてもらいたい。

posted by カルピス at 21:12 | Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月15日

プリペイドカード「NEO MONEY」のサービス終了

プリペイドカード「NEO MONEY」から
サービスを終了する、というメールがおくられてきた。
ことしの9月30日で、しはらいも、ひきだしも できなくなるという。
わたしは海外専用のカードにしているので、
残高をどうやって どうやってはらいもどしをしたらいいのか
総合案内へ電話をしてたずねる。
むこうからおくられてくる用紙に、
はらいもどし金額をかきこめばいいそうだ。
それにしても、きゅうにサービスを終了する、
といわれてもこまってしまう。
なぜサービス終了なのかをたずねると、
新型コロナウイルスなのだそうだ。
旅行するひとがすくなくなり、事業としてつづけられなくなった。
信用が大切なカードが、こんなにもきゅうに
サービスをやめます、となるなんておどろいた。

海外旅行をするとき、ずっとT/C(トラベラーズチェック)
をつかっていたけど、2011年にベトナムへいったとき、
わたしのT/C(VISA)を どこの窓口もうけつけてくれなかった。
つぎの年にタイへいったときもだめで、
どうもT/Cはもう旅行で実用にならないようだ。
日本にかえってから、すべてのT/Cを米ドルにかえた。
そして、つぎの旅行からT/Cのかわりとして
プリペイドをつかうようになる。
これからも便利につかおうとおもっていたのに。

コロナ下の状況がこのままつづけば、
旅行業界の体力がうばわれ、旅行会社や航空会社、
アジアではゲストハウスが「サービス終了」となるかもしれない。
旅行という文化が、数年のうちに、ずいぶんかわってしまいそうだ。
サービス終了とならないまでも、航空運賃はあがるだろうし、
ホテルもすくなくなり、旅行しづらくなる。
新型コロナウイルスがおちつけば、とのんきにかまえていたけど、
このさきにまっているのは、まえとはずいぶんちがう状況のようだ。

posted by カルピス at 17:00 | Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする