2015年11月15日

2016年版 鷹の爪卓上カレンダー

2016年版の鷹の爪卓上カレンダーをかう(864円)。
「島根スーパーデラックス自虐カレンダー」
というのが 正式名称のようだ。
壁かけ用もならべておいてあったけど、
こちらは1512円とすこしたかいので、
値さがりをまつことにする。

かんたんにこのカレンダーについて説明すると、
日本一めだたないといわれる島根県の特徴を逆手にとり、
自虐ギャグが月ごとにそえられている。
カレンダーとして致命的なのは、祝日がわからない。
つまり、数字がぜんぶおなじ色ですられているので、
曜日を確認するためだけにしかつかえないという、
実用にあまりむかないつくりだ。
好意的にとらえると、世界征服をめざす鷹の爪なのだから、
世界の各地域でつかうことをかんがえ、
日本の祝日をいちいちカレンダーに
しるすわけにはいかないのかもしれない。
2016年版は、これまでにないこころみとして、
ひとけたの日には「01・02・03」というふうに、
ゼロをつけてしるされている。
カレンダーとしては、はじめてみる表記だけど、
なれないせいか すこしうるさい気がする。
だからどうなんだ、というかんじ。
2011年に800部からスタートした『島根自虐カレンダー』は、3000部売れたらヒットと言われているカレンダー業界の中で、2014年に450%増の3万6000部を完売。昨年も2万6000部の大ヒットとなった

というからすごい人気商品だ。
とはいえ、きょねんはすりすぎてしまったようで、
年をこしてから値さげしてうられていた。
冒頭で、壁かけカレンダーの値さがりをまつ、とかいたのは
ことしもあんがいおなじことがおこるかも、という
ファンとしてどうなんだ的な期待があるからだ。

2016年のカレンダーは、「島根都構想」をテーマにしているという。
http://鷹の爪.jp/jigyaku2016/
自虐だけではなく、
「全国にほこりたい、主張したいことがもりこまれて」いると
吉田くんがアピールしていた。
まじめに島根を自虐したそうだから、
そろそろ自虐という行為そのものを
とらえなおす時期にきていると、
「鷹の爪」サイドが判断しているのかもしれない。
自虐のつぎにくる島根県ネタは、どんな形になるのだろうか。

posted by カルピス at 11:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 鷹の爪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月22日

吉田くんのTシャツ「島根か鳥取か分からないけど そこら辺に行きました」の威力

連休で東京から帰省していた姉が、
おみやげ屋さんで吉田くんのTシャツをかってきた。
おなじみの自虐的ギャグは
島根か鳥取か分からないけど
そこら辺に行きました。

おなじセリフが おかしの箱にもつかわれているそうだ。
吉田くんTシャツ.jpg
いつものように自虐してるとおもわせて、
じつはこまかな配慮がいきとどいている。
ほかの県のひとにとって、
島根だろうが鳥取だろうが、
どうせどこにあるのかわからないのだから、
このさいいっしょくたにして「そこら辺」としてくくるのは
ひとつのただしい解決策だ。
島根と鳥取の対立を、いくらかやわらげてもくれるだろう。

そうはいっても 島根だけがおおきくかかれ 色もピンクだし、
なによりも地図には島根のとこらへんだけ
色がつけてある。
客観的には島根よりのTシャツなのはあきらかだ。
鳥取からみると、対等にあつかわれた気はしないかもしれない。

ネットにはこのTシャツについて
「鳥取県はとても面白い宣伝をするねwww」
「見終わってもやっぱり鳥取って覚えてしまっていたw」
など、残念な感想があがっている。
島根の知名度があいかわらずひくいこと、
島根と鳥取はほかの県のひとにとってセットであること、
けっきょく島根がどこにあるかは印象にのこらないこと、
がよくわかる。
どれだけ根のふかい問題なのだろう。
ひとは、おぼえてくれといわれると
反発から かえって頭にはいらないもので、
そこで反対に「島根のことなんかだれもしりません」と
負け犬になっておなかをさらしたのが
鷹の爪の自虐ギャグだ。
しかし、ギャグばかりに意識がむかいすぎ、
けっきょく島根については あいかわらず印象にのこらない
「そこら辺」の県でしかない。

姉はおみやげとしてこのTシャツをかったのではなく、
職場でもきているそうだ。
「そこら辺に行きました」のほかに
すでに2枚の自虐Tシャツをもっているので、
これでローテーションがくめるという。
姉は特別支援学級をうけもっており、
このTシャツだと なにかと話題にしやすいらしい。
ただ、子どもたちにも島根がどこにあるかは
あいかわらずむつかしい問題で、
その意味でもこの「そこら辺に行きました」は
子どもたちを勇気づけるTシャツとなる。
けっきょく 島根だろうが 鳥取だろうが、どっちだっていいのだ。

東京にも もちろん島根県出身のひとがくらしている。
姉はときどきおもわぬ場所で「もと島根県のひと」にであい、
「島根県民あるある」にもりあがるのだそうだ。
そんなときにもこの吉田くんTシャツは
おおきなちからを発揮してくれる、
かどうかはわからない。

posted by カルピス at 10:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 鷹の爪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月17日

総統と吉田くん以外はみんな有能な鷹の爪団

かんがえてみると、
いやほんとうは、かんがえてみるまでもなく、
鷹の爪団の中心人物である総統と吉田くんは、
世界征服にやくだつ仕事をしていない。
そういってしまっては身もフタもないけれど、
それがいまやこの作品の前提となっている事実だ。
「世界征服」とはなにか、という問題はおいとくとして、
このふたりがいなければ世界征服はそうむつかしくはない。

このふたり以外の団員は、
博士にしてもフィリップにしても菩薩峠くんにしても、
みんなそれぞれやり手であり、
ひとりでも世界征服ができるような ひいでた能力をもっている
(レオナルド博士の能力におどろいたデラックスファイターが、
「おまえらなんで世界征服できねえんだ?」と
不思議がっている)。
鷹の爪団の顔みたいなつもりでいる総統と吉田くんが
よってたかって足をひっぱるから
世界征服ができないのだ。
博士たちがいなければ、のこる総統と吉田くんは、
まったく人畜無害なひとたちでしかない。

中心にいる人物が、じつは組織にとって有害だった、というのは
かなしいけど、あんがいよくみかける風景といえる。
たとえばWカップブラジル大会で日本代表はベスト4をめざしており、
でありながらブラジル代表とガチで試合をすればまったく歯がたたず、
「いまのメンバーが主力であるうちは無理」なんて相手にいわれていた。
世界に通用する、世界をおどろかすサッカーを、と
中心になってチームをもりあげていた選手たちは、
自分たちの存在を否定しなければ
日本はつよくならないという矛盾をかかえることになる。

有名なパレートの法則を鷹の爪団に適応すると、
20%の隊員(つまりひとり)が80%の仕事をするのだ。
博士・菩薩峠・フィリップの3人が協力しあうことはまずなく、
うごくとすれば個人ごとの活動になるので
つねに20%としてのかたまりとして計算できる。
鷹の爪団に敵対する組織も もちろんそれに気づいており、
これまでの放送で3人(博士・菩薩峠・フィリップ)は
それぞれべつべつにラチされたはなしがあった。
彼らをいちまいずつはがしていけば、のこる団員は無力だ。
吉田くんがデラックスファイターに弟子いりしたことはあっても、
鷹の爪団の戦力に影響はないため そのままほっておかれた。

では、総統と吉田くんは、いったいどんな存在なのだろう。
世界征服という目的に関係ないのなら、
なぜ主役みたいな顔をして いつも番組にでてくるのか。
これもまた世間の組織でよくみかける問題とおなじだ。
あらゆる目的は、実現させるよりも、
その状況を維持するほうがむつかしいことがしられている。
問題は、世界征服までのみちのりではなく、
世界征服をしたあとにある。
博士にしてもフィリップにしても菩薩峠くんにしても、
世界征服はできてもその後のビジョンをえがけない。
そのため征服そのものにも懐疑的であり、
おのずとただいっしょにいるだけ、という存在になってしまいがちだ。

総統と吉田くんは、世界征服をしたあとにこそちからを発揮する。
しかし、彼らがいると世界征服ができないわけだから、
おもてにでてくるうごきをみているだけでは、
なんのための存在かがはっきりつかめない。
鷹の爪団は、このふたりと、
博士たち3人の有能な隊員という構成で自己完結しており、
はげしくうごきながらも 安定した状態がいつまでもつづくことになる。

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2015年04月25日

松江での国際会議をどうよびかけるか

すこしまえの朝日新聞・島根版に
「国際会議 県に呼び込め」という記事がのった。
2013年に日本でひらかれた国際会議を 開催都市別にみると、
松江は8件で12位にランクされているそうだ。
1位の東京は228件、2位の京都が52件と、
上位の都市にはとおくおよばないものの、
10位の千葉と奈良が10件の開催なのだから、
人口20万人の町としてはよく健闘しているといえるだろう。
なんで国際会議をひっぱってきたいのかといえば、
地元でお金をつかってくれそうだからだ。
会場になることがおおい「くにびきメッセ」の中島哲専務理事は
「海外での島根県の知名度はゼロに等しいが、これまでの人脈も生かし、誘致していきたい」
とはなしている。

そうだろうか。
「知名度はゼロに等しい」をアドバンテージにしたのが
「鷹の爪」の自虐ギャグで、
島根県の印象がうすければうすいほど、
自虐ネタが効果的だった。
国際会議を誘致しようとするときにも、
「鷹の爪」に活躍してもらえばいいのにとおもう。
知名度のひくさをいかした宣伝をしたらいいのだ。
「鷹の爪」の作品のなかには、島根の自然と歴史を紹介したもののある
(島根県が依頼してつくってもらったのだろう)。
なによりも、「鷹の爪」のわらいは 日本人よりも、
むしろ外国人によろこばれるとかんがえられ、
「鷹の爪」をうりこむことが、そのまま島根の宣伝にもなる。
島根県の宣伝に、松江市ものっかればいい。
境港市が「鬼太郎ロード」など、妖怪で生きていこうときめたように、
島根は、そして松江も鷹の爪にかける。

2008年に吉田くんが「しまねSuper大使」に任命されて以来、
島根県の知名度がどれだけあがったかをおもうと、
これからも「鷹の爪」に島根県と松江市の宣伝を期待するのは
当然のながれではないか。
あの「鷹の爪」の舞台ともなった島根県といえば、
日本なれした外国人にも魅力的な開催都市にうつるだろう。
なにもいいところがないのに
だましてつれてくるわけではなく、
東京にはみられない松江の町なみやくらしぶりにふれるのは、
外国からの旅行者にとって めあたらしい体験となるにちがいない。

市の担当者は
「歓迎看板を用意したり、懇親会で安来節などの郷土芸能を提供したりといった支援メニューをそろえている」
というけど、
そんなことよりも、ふだんの生活をそのままみてもらえばいい。
松江のたたずまいに自信をもっていいし、
自信をもてるような町と市民であってほしい。
べつに国際会議の開催数がだいじなわけではないけれど、
大都市よりも松江をえらんでもらえるのは光栄だ。
そして、そのきっかけとして「鷹の爪」という適役がいてくれる。
知名度のひくさを宣伝にいかすのは
すでに「鷹の爪」が道をひらいている。
堂々と「穴場」「秘境」として松江をうりこめばいい。

posted by カルピス at 18:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 鷹の爪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月20日

世界征服をめざすのをやめたら ただのなかよしグループ

「秘密結社 鷹の爪」をみていたら、
例によって総統と吉田くんがいいあいしていた。
吉田 もういいかげん(世界征服なんか)あきらめたらどうですか。
総統 あきらめないよ。
   あきらめたらわしらたただのうたとおかしがすきな、
   なかよしグループになっちゃうじゃないか。
吉田 いーじゃないですか、じっさいそうなんだし。

「世界征服をめざすのをやめたらただのなかよしグループ」
が胸にささる。
なかよしグループを、ただのオヤジにかえてもいい。
総統は、ただこの一点で気もちをたもっている。
そして、みんなあんがいそんなものかもしれない。
◯◯ができるから、
◯◯があるから、
わたしはそれなりの存在なのだと、
事実かどうかにかかわらず、こころのささえにしている。
そんなときに「いーじゃないですか、じっさいそうなんだし」
とつきはなされると、ちょっとこたえる。

わたしの場合はなんだろう。
トレーニングをやめたらただのオヤジか。
ただのオヤジでわるいか、という議論があるのはわかるけど、
たいていのひとはただのオヤジといわれたくないはずだ。
本をよまなかったら、ただのオヤジ、もけっこうきつい。
鷹の爪をみなかったら、ただのオヤジ、
というのが いちばんわたしの本質をついていたりして。

こうしてみると、総統と吉田くんとの会話は、
おおくのひとが自分にもおもいあたるこころのうごきであり、
問題提起ととらえることができる。

1.もういいかげんあきらめたらどうか
2.あきらめない。あきらめたらただの◯◯になるから
3.じっさいそうなんだから、いーじゃないか

それぞれもっともな発言で、それなりに理にかなっている。
「じっさいそうなんだから」と引導をわたされた総統はどう反応したか。
それが、1から3までをメモするのにせいいっぱいで、
肝心であるそれからの展開をすっかりわすれてしまった。
どうせたいして内容のある反論ではないだろうが、
なんだか気になってきた。
吉田くんに「いーじゃないですか」といわれたときのきりかえしを
自分なりにかんがえてみたい。

posted by カルピス at 13:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | 鷹の爪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする