まいとし3〜5キロつけてるから、
いいかげんやり方をおぼえてもよさそうなのに、
いつも本をひっぱりだして つけ方をたしかめる。
塩を梅のおもさの2割、おもしは2倍。
これをまもれば、梅ぼしづくりはたいてい成功する。
いちどだけ、ながくむしあつい梅雨がつづいた年に
容器にカビがうかんだことがあった。
部屋のたたみにもカビがはえるようなひどい梅雨だった。
そのときだって、梅酢からカビをとりのぞいたら、
梅じたいは無事で、いつものようにたべられた。

梅ぼしをつけてから、1ヶ月たったころ、
梅をザルにあけ、3日間、日光にあてる。
梅をつけるのは、たいてい梅雨の時期なので、
3日間の日光浴があんがいむつかしい。
いつも雨がかからないかとヒヤヒヤしながら、
くもり空の日にも、ベランダにだし、3日間ほしたことにする。
ことしは、いましかない、というタイミングで
梅雨のはれまが運よくおとずれて、3日間そとにほせた。
こうやって、日にあてると、
梅のにくがやわらかくなるのだという。
梅だけでなく、シソもいっしょにつける。
赤いシソをかってきて梅酢につけても、
きれいな赤にならないことがおおいのに、
ことしはすごくあざやかな赤にシソがそまった。
なんだかんだと、ことしは梅ぼしづくりがうまくいった。

梅ぼしづくりは、なにもむつかしいことはないのだけど、
材料をかったり、容器を消毒したりがめんどくさくおもえ、
なかなかうごきをきりだしにくい。
ほかの仕事といっしょで、
かんがえずにからだをうごかすのがコツかもしれない。
あれをして、これをして、
それには何日に梅をかわないといけないから・・・、
なんて頭でいじくりだすと 腰がどんどんおもたくなる。
スーパーで、梅が目についたときに、
さっとかってしまえば、あとはもうやるしかない。
そして 梅ぼしづくりは、かなりの達成感をもたらしてくれる。
いかにもていねいにくらしているようで気分がいい。