こんどはU20女子W杯がはじまった。
「ヤングなでしこ」という愛称がつけられ、
テレビでもいい時間帯に試合が放映されている。
これまでU20(しかも女子)の大会が
こんなに注目をあつめたことはなかったのではないか。
「なでしこ」人気にあやかろうとして、
人気タレントを動員してのおまつりさわぎをみると、
あまりにもみえすいたもちあげ方にうんざりしてくる。
とはいえ、こうやって女子サッカーが人気をあつめることは、
宮間さんたちのねがいであることもまたたしかだ。
ニュージーランド戦からまじめにみるようになった。
わたしがもっとも信頼しているサッカージャーナリストの西部謙司が、
オリンピックでの決勝戦のあと、
「アメリカに勝つ方法」として下記の内容をメルマガにのせている。
アメリカがとってきた
これまでの戦術について整理しておくと、
・きょねんのW杯で日本にまけたことで
日本のパスサッカーをお手本にしはじめる
・しかしなかなか成果をだすことができず、
日本との試合でも機能しなかった
・それでまたもとにもどし、パワーを全面にだすようになる
・オリンピックまえにスウェーデンおこなわれた親善試合で
日本に1-4と圧勝する
具体的には、アメリカは2人のフォワードと、
サイドにはる2人がたかい位置からプレッシャーにくるので、
日本がパスをまわせなくなっていたのが
オリンピックまえの状況だった。
西部さんがかんがえる「アメリカに勝つ方法」は
センターバックの間にボランチの阪口がおりるというものだ。
そうすれば5バックのようになり、
4人のアメリカにたいして数的優位をたもてる。
もしアメリカがもうひとりくわえてきたら、
日本は宮間か川澄がおりてくればよく、
さらにアメリカが人数をかけてくるなら、
最終的には日本はセンターフォワードをゼロにし、
2トップはサイドにはる。
これはバルセロナ方式なのだそうで、
ほかにもうしろでパスをまわしきるやり方が
男子ではすでにいくつもあるという。
西部さんは「やり方は簡単」とかかれているが、
ほんとにそんなにうまくいくものなのだろうか。
理論的にはつじつまがあっていても、
じっさいに日本にあった戦術かというと
わたしにはよくわからない。
どのチームでもこうした戦術をとれるわけではなく、
日本がパスサッカーを自分たちのスタイルとしているから
西部さんはこういう案をかんがえたのだろう。
アメリカとの決勝戦についての西部さんの評価は、
(うしろでパスをまわすことが)そこまで出来なかった。やろうとしている感じも見えましたけど、中途半端でしたね。
決勝では、アメリカが元気だった前半は中盤を飛ばしてロングボールを使っていました。低い位置で奪われたくないというリスクマネージメントです。戦術的には正解なんですけど、これでは進歩したとはいえないでしょう。アメリカの圧力に対して逃げているだけですから。
というもので、互角以上にわたりあった、と
一般にはおもわれているのに対し
かなり手きびしい評価だ。
日本的なサッカーを全面にだしながら、アメリカを相手に、
ほんとうにかちをねらえるようなチームがそだってくることを
たのしみにまちたい。