「ローマ字も『姓・名』順」の記事がのった。
日本人の名前をローマ字で書く際は姓・名の順が望ましい。日本語を所管する文化庁が近く、官公庁や都道府県、大学や報道機関などにそう呼びかける。
世のなかには理解にくるしむ習慣がいくつもある。
学校給食で主食がごはんのときでも
牛乳がかならずついてくるとか、
安全じゃないのがわかっていながら
原子力発電をつづけるとか。
外国語で名前をかくときに、姓と名をひっくりかえすのも、
まえからなじめなかった。
よくいわれるように、中国人が英語をはなすときは
英語むけにひっくりかえさないというし、
アメリカ人が中国人をよぶときにも、
中国人のよびかたをそのままつかう。
なにがかなしくて、日本人だけが外国語でなのるときに、
ひっくりかえして名・姓にしなければならないのか。
ヘボン式のローマ字をつかうのもへんだ。
ローマ字表記は、アルファベットをつかって日本語をかくのだから、
アメリカ人にとっての発音しやすさを、
日本人にとっての便利さよりも 優先させるほうがどうかしている。
日本人がかきやすいのは日本式ローマ字のほうで、
たとえば「た行」をヘボン式でかくと
ta chi tsu te to
日本式では
ta ti tu te to
となり、どちらがかきやすいかはあきらかだ。
おおくのひとが、パソコンでローマ字入力をするときには
日本式をつかっているのではないか。
ローマ字で日本語をかくときに、
なんでわざわざヘボン式をえらぶのか 不思議でならない。
外国語で名前をなのるとき、
姓・名の順なのはあたりまえであり、
そうでなかったこれまでがおかしいのだ。
つぎの段階では、ヘボン式ローマ字を
日本式へと みなおすうごきに期待したい。
東京オリンピックにやってくるのは
英語を母語とするひとばかりではない。
ひとつのことばの発音だけを優先させるのは
それ以外のことばをつかうひとにとって不親切となる。