2021年11月12日

「冷笑的な態度を捨て、愛に目覚め」たい

うちにあったふるいiMacを職場にもってきて、
クッキーのうりあげなど、会計処理用につかっている。
ほんとうは、仕事につかうのはほんのときどきで、
お弁当をたべながら、なんとなく
むかしのファイルをよみなおすことのほうがおおい。
ネット環境にないため、iPhoneのテザリング機能で
エバーノートをこまめに同期させる。
検索をかけ、ふるい記事をよみかえすのはたのしい。

2015年にネットでひらかれていた「村上さんのところ」には、
数万のメールがよせられたそうで、
そのなかで気にいったものをエバーノートにとりこんでいる。
すっかりわすれているので、ひさしぶりによみかえすと新鮮だ。
ジョン・レノンの曲で「Instant Karma」というのがあります。
いったい、「Instant Karma」ってどういう意味なんでしょうか? 

という質問にたいし、村上さんは
ジョン・レノンがここで言いたいのは、「なにも来世まで待たなくても、今にもがつんとくる即席の因果みたいなのがあって、こいつはけっこうこたえるぜ」ということなのだろうと僕は解釈しています。だから利己的にちゃらちゃら生きてないで、冷笑的な態度を捨て、愛に目覚め、同胞を受け入れ、みんなで明るい光になろうじゃないか、みたいなことですよね。

このごろのわたしは、まさしく「利己的にちゃらちゃら生きて」おり、
村上さんのこの解釈にえりをただされた。
なんだかこのごろのわたしは
「えりをただされて」ばかりいる。
反省するふりがうまくなっただけなのかも。
中島みゆきの歌詞みたいだ。

posted by カルピス at 21:45 | Comment(0) | 村上春樹 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月25日

村上レディオの「花咲くメロディー特集」にとまどう

第23回の村上レディオは「花咲くメロディー特集」。
春→お花見→幕の内弁当→メドレー音楽、というきわめて単純な発想の命名ですが、

と村上さんはいうけど、
なんで幕の内弁当からメドレー音楽を連想するのか
わたしにはよくわからない。あそびといえばそれまでだけど、
なにがおもしろいのかわからないと、あそびにならない。
紅白にでる歌手が、自分のヒット曲を
何曲かおりまぜてうたうことがあり、
そういうのをメドレーというのだとおもっていた。
たとえばピンクレディや嘉門達夫さん。
ヒット曲を つづけてうたうのがメドレーなら わたしにもわかる。
でも、はなしはそれほど単純ではなさそうだ。
クイーンのセカンドアルバムから3作のスタジオアルバムでは、別々の録音で、アレンジとテープ編集でありながらも、実際にメドレーであるかのような錯覚を与えるサンプルが収録されている。
レッド・ツェッペリンは、正式発表されているライヴは数少ないが、通常、冒頭の2~3曲は続けて演奏し、そのほとんどは、絶妙なアレンジでメドレー形式となっていて、節目ごとに、その曲目とアレンジを変えている。

なんてウィキペディアの説明をよむと ますますわからない。
1曲のなかに、数曲はいっているもの、という解釈でいいだろうか。

競泳にも「メドレーリレー」や「個人メドレー」という種目がある。
4つの泳法をつなげておよぐからメドレーなのだろう。
ことなるものをつなげる、という意味なら、
競泳のメドレーはよくわかるけど、
きょうの「村上レディオ」でかかった曲は、
村上さんが「メロディー」と紹介してくれなかったら、
わたしにはふつうの曲としかおもえないだろう。
音楽におけるメドレーは、きくもののちからをためすところがある。

「村上レディオ」のサイトには
なんだろう、この“つながる瞬間”のグルーヴ感は! 村上DJが音楽の幕の内弁当だという「花咲くメドレー特集」は、アーティストと選曲者が卓越したセンスを持っていなければ成り立ちません。

とスタッフがコメントをよせている。
ヒット曲をつなげてうたえばなんでもメドレーになる、
というほどかんたんではないようだ。
それにしても、幕の内弁当とメドレーが、なぜつながるのか。
そこにひっかかったまま、わたしの頭はさきにすすまない。

今夜の夕ごはんは、村上レディオをききながらたべた。
いつもだと、録画しておいた番組をみながらだけど、
食事のおともとして、テレビとラジオではずいぶんちがう。
村上さんがえらんだ曲は、メドレーとしてはおもしろのだろうけど、
食事のときにふさわしい曲かどうかは またべつだ。
いつもの村上レディオは、もっと村上さんのおしゃべりがはいるので、
食事のときでもたのしめるかとおもっていたけど、
今回はほとんど曲がながれっぱなしだったためか、
なんだかへんな雰囲気の夕ごはんとなった。
基本的に、音楽と食事はあわないのかもしれない。
なにかにじっと耳をかたむけると、おしゃべりはできないし、
食事に集中するのもむつかしい。
会話のとぼしい我が家の食事には、
テレビ番組のほうがにつかわしいのかも。

posted by カルピス at 21:36 | Comment(0) | 村上春樹 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月23日

KDPによる『村上春樹作品にでてくるスパゲッティの量が気になる』

9日間の休暇もきょうが最終日。
すこしずつつづけていた
村上春樹さんについての本をしあげる。
これまでブログにかいてきた記事をまとめたもので、
KDPによる3冊めの本となる。
いま「出版準備中」の表示なので、
もうすこししたら「販売中」にかわるだろう。

タイトルは
『村上春樹作品にでてくるスパゲッティの量が気になる』。
村上作品をふかくよみこんだ内容ではもちろんなく、
「僕」がどれだけたくさんのスパゲッティをゆでたか、とか、
多崎つくるくんのクロールはもっとはやいのでは、とかいう
ゆるくてどうでもいいことにこだわっている。
これまでの2冊は ほとんどうれてないので、
この3冊めこそ大ヒットしてくれないだろうか。
bookshelf.jpg
9日間になにをしてすごしたか、というと
・KDPでの本つくり1冊
・温泉へ2回
・水泳2回
・ジョギング6回
・ながいあるき(22キロ)
・本2冊
・昼寝8回
・寒中みまい10枚をだす

新型コロナウイルスがじわじわひりがっているので、
どこかへ旅行する気にはならなかった。
いちばんとおくへのおでかけは、
きのうのラムネ温泉ゆきで、
あとはずっと家ですごしている。
やすみだからと、夜ふかしや2どねはせず、
基本的に規則ただしい生活をくりかえしている。
9日やすんだのに、映画は1本もみなかった。

休暇にはいるまえの記事に、
「ただくつろいですごすだけの時間」にする、とかいた。
あたらしいことをはじめたり、
まとまった時間を勉強につかう、なんていう
おりこーちゃんな志をたてたりしなかった。
自分にあまい目標設定がよかったようで、
なかなかじゅうじつした休暇となった。

posted by カルピス at 17:08 | Comment(0) | 村上春樹 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年01月01日

大晦日の夜は、ラジマンと「村上RADIO」年こしスペシャル

2013年からつづいているという、
ラジオマンジャックの年こしスペシャルが、
大晦日の夕方4時から朝の1時まで放送される。
きょねんは、NHKラジオの番組紹介みたいな時間帯があり、
ほとんどラジオマンジャックと関係がなくて退屈した。
ことしはいつもの番組を、そのままながくしたような内容で、
いいかんじにゆるさと雑多さをたのしめる。
時東ぁみさんは、ひとの名前をよむときに、
さらっといいまちがえ、それをぜんぜんわるびれずに
「あ、まちがえた」と訂正してつづけ、それぐらいでは、
まわりはもはやなにもつっこまないからすごい。
奇妙礼太郎さんの「赤いスイートピー 」がすばらしかった。
奇妙さんは曲をかんぜんに自分の解釈でうたい、
歌詞がこころにひびいてくる。
だれがどうきいても「赤いスイートピー」だけど、
松田聖子さんのものとは まったくちがう曲にきこえる。

夜11時からは、「村上RADIO年越しスペシャル」。
「村上RADIO」はもうこれで20回をむかえるという。
今回は、村上さんとしては はじめての生放送で、
ゲストに山中伸弥さんと山極寿一さんがまねかれた。
山中さんとのおしゃべりは、とうぜんというか、
しぜんに新型コロナウイルスになる。
村上さんは「コロナくるな!」という標語をつくったそうで、
だけど ぜんぜんん役にたたなかったとわらっている。
この日、いちにちの感染者が4500人と最多を記録し、
もうほんとにたいへんな状況になっている。
山中さんでもさきがまったくよめないといい、
でもなんねんもこのままでは経済がたいへんだから、
なんとかワクチンでおさえないと、とはなされる。
村上さんは、こういうときにはつよいメッセージが必要なのに、
日本には、言葉でうったえられる政治家がみあたらないという。
自分の言葉をもたない政治家は、
コードのひけないエリック=クラプトン、というのがおかしかった。
村上さんは、40年ちかく毎年フルマラソンをはしっているそうだ。
ことし(きのうの放送では)はコロナのために
すべてのレースが中止になったので、
10人ほどの仲間とフルマラソンをはしったという。
村上さんの ランナーとしてのピークは43歳のときで、
それ以来、すこしずつタイムがおちていくのに
それでもマラソンをはしりつづけるのは なにをおもってのことか。

山極さんは、このまえまで学術会議の長をつとめておられ
6人の会員を政府がこばんだ「事件」をもちだされた。
そこらへんのやりかたは チンパンジー社会をおもわせるそうで、
民主主義はいい政治形態なのだから、
もっとゴリラをみならって、といわれる。
おふたりのゲストとのおしゃべりで、
ふだんはあまり政治についてふれない村上さんが、
かんじていることを めずらしく さらっとはなす。

30代の女性からのメールが紹介された。
「愛はきえても親切はのこる」という村上さんの言葉を胸に、
夫への料理に、じゃがいもの青いところをいれずにおさえた、という。
愛がきえても、親切がのこればいいのかもしれない。

大晦日の夜、ネコをだいてストーブにあたり、
「村上RADIO」をのんびりときく。
おかげでしあわせな年こしができた。
村上さんもわたしも、ことしは年男だ。
いい年になりますように。

posted by カルピス at 11:07 | Comment(0) | 村上春樹 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月15日

村上ラジオによせられた相談に、村上さんがどうこたえたか

夜7時からの「村上ラジオ」をたのしみにしていたのに、
仕事がずれて ほんのちょっとしかきけなかった。
仕事にじゃまされるなんて、わたしらしくない。すごく残念。
でも、ネットをみると、
番組の内容すべてが、そっくりそのままサイトにあがっている。
https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/
今回の「村上ラジオ」は、音楽だけでなく、
メールでよせられたいくつかの質問に 村上さんがこたえている。
なんねんかまえに、「村上さんのところ」というサイトがひらかれ、
村上さんへの質問をうけつけ、
それに村上さんがこたえる企画があった。
こんかいは、「村上ラジオ」版の「村上さんのところ」だ。

かるい質問にまじり、どきっとするようなメールがよまれた。
16年一緒に暮らしている妻がいるのですが、先日来、口をきいてくれなくなり、メールで「私のことは放っておいて欲しい。 あなたと積極的に一緒にいる理由はもうない」と言われました。これは別れて欲しいということなんでしょうか。ホントに困っています。

お気の毒ですが、それはやはり「別れて欲しい」ということだと思います。ただし、黙ってすっと出て行かないで、そのようなメッセージをわざわざあなたのところに送ってくるというのは、まだ多少見込みがあるということです。 だから、なんでもいいからぺこぺこ謝るのがいいと思います。理屈をこねないで、とにかく誠意を込めてひたすら謝る。言葉の限りを尽くして詫びる。これしかありません。それが人生です。気合いを入れてがんばってください。

あんまり「お気の毒」とおもってないかんじで、
深刻がらずに村上さんがこうこたえている。
だいたいにおいて村上さんは、この手の質問にたいし、
わるいのは男です、というのが基本路線だ。
いつも女性の側にたち、無神経な男たちに
なんでもいいから とにかくあやまるようアドバイスする。
「理屈をこねないで」「ぺこぺこ謝る」のがポイントだ。

こんなふうに配偶者が口をきいてくれなかったら、
わたしだってこまってしまう。
メールで「放っておいて」というぐらいだから、
なぜ口をきかないのか、たずねても無駄だろう。
でも、理由がわからなければ
「誠意を込めてひたすら謝る」のはむつかしくないか。
とにかくあやまればいいとおもってるんでしょう、と
逆ギレされるような気がするけど。
でもまあ、経験豊富な村上さんが、
そこまでいうのだから、きっとただしいのだろう。
それが人生だといいきかせ、
「気合いを入れてがんば」るしかない。
こんな目にあったのが、わたしじゃなくてほんとうによかった。
タグ:村上ラジオ

posted by カルピス at 21:35 | Comment(0) | 村上春樹 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする