2013年からつづいているという、
ラジオマンジャックの年こしスペシャルが、
大晦日の夕方4時から朝の1時まで放送される。
きょねんは、NHKラジオの番組紹介みたいな時間帯があり、
ほとんどラジオマンジャックと関係がなくて退屈した。
ことしはいつもの番組を、そのままながくしたような内容で、
いいかんじにゆるさと雑多さをたのしめる。
時東ぁみさんは、ひとの名前をよむときに、
さらっといいまちがえ、それをぜんぜんわるびれずに
「あ、まちがえた」と訂正してつづけ、それぐらいでは、
まわりはもはやなにもつっこまないからすごい。
奇妙礼太郎さんの「赤いスイートピー 」がすばらしかった。
奇妙さんは曲をかんぜんに自分の解釈でうたい、
歌詞がこころにひびいてくる。
だれがどうきいても「赤いスイートピー」だけど、
松田聖子さんのものとは まったくちがう曲にきこえる。
夜11時からは、「村上RADIO年越しスペシャル」。
「村上RADIO」はもうこれで20回をむかえるという。
今回は、村上さんとしては はじめての生放送で、
ゲストに山中伸弥さんと山極寿一さんがまねかれた。
山中さんとのおしゃべりは、とうぜんというか、
しぜんに新型コロナウイルスになる。
村上さんは「コロナくるな!」という標語をつくったそうで、
だけど ぜんぜんん役にたたなかったとわらっている。
この日、いちにちの感染者が4500人と最多を記録し、
もうほんとにたいへんな状況になっている。
山中さんでもさきがまったくよめないといい、
でもなんねんもこのままでは経済がたいへんだから、
なんとかワクチンでおさえないと、とはなされる。
村上さんは、こういうときにはつよいメッセージが必要なのに、
日本には、言葉でうったえられる政治家がみあたらないという。
自分の言葉をもたない政治家は、
コードのひけないエリック=クラプトン、というのがおかしかった。
村上さんは、40年ちかく毎年フルマラソンをはしっているそうだ。
ことし(きのうの放送では)はコロナのために
すべてのレースが中止になったので、
10人ほどの仲間とフルマラソンをはしったという。
村上さんの ランナーとしてのピークは43歳のときで、
それ以来、すこしずつタイムがおちていくのに
それでもマラソンをはしりつづけるのは なにをおもってのことか。
山極さんは、このまえまで学術会議の長をつとめておられ
6人の会員を政府がこばんだ「事件」をもちだされた。
そこらへんのやりかたは チンパンジー社会をおもわせるそうで、
民主主義はいい政治形態なのだから、
もっとゴリラをみならって、といわれる。
おふたりのゲストとのおしゃべりで、
ふだんはあまり政治についてふれない村上さんが、
かんじていることを めずらしく さらっとはなす。
30代の女性からのメールが紹介された。
「愛はきえても親切はのこる」という村上さんの言葉を胸に、
夫への料理に、じゃがいもの青いところをいれずにおさえた、という。
愛がきえても、親切がのこればいいのかもしれない。
大晦日の夜、ネコをだいてストーブにあたり、
「村上RADIO」をのんびりときく。
おかげでしあわせな年こしができた。
村上さんもわたしも、ことしは年男だ。
いい年になりますように。
posted by カルピス at 11:07
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村上春樹
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