わたしがすきな辺境作家、高野秀行さんがでていた。
はじめは、生活史研究の阿古真理さんのはなしが耳にはいる。
『料理は女の義務ですか?』『”和食”って何?』
という本をかいた話題にひかれた。
タイトルはそれぞれ挑発的に問題提起をしているけど、
内容はタイトルからイメージするよりも、
さらにひろくふかくほりさげてあるようだ。
おもしろそうだから、ぜひよもう、
とおもっていると、店主の松尾さんが
もうひとりのゲストにやたらとはなしをふる。
うけこたえをしてるのが、高野秀行さんだった。
はじめてきく高野さんの声は、いわゆるしぶい声で、
はなしもよくまとまっていてわかりやすい。
わたしは高野さんの本をほとんどよんでおり、
番組ではなされた内容はすでにしっていた。
その意味では、新鮮味はないけど、
意外性にみちたはなしは、
じゅうぶん視聴者をひきつける内容だ。
辺境でたべた印象的なたべもの、とか
これはうまかった、という料理とかをたずねられると、
ついおおげさにかたりそうだけど、
高野さんほどの辺境作家となると、
反対に、はでな表現をおさえがちとなり好感がもてた。
番組のなかで、パクチーが日本で融合し、発展した、
というはなしがでた。
わたしはまえにタイのひとが日本人のパクチーずきについて、
タイでは、パクチーはパセリのような料理の飾りで、苦手な人も多い。(中略)パクチーが好きでも、パクチーの大盛りは頼まないと思う。
タイ人は日本人ほどパクチーを食べないと思う。
という新聞への投稿をよみ、
ずいぶんひねくれたひとだとうけとめていた。
いちぶの日本人をみて、日本人全体とかんちがいしているのでは。
でも、このひとはただしい観察をしていたようだ。
日本人は、パクチーのおいしさに気づくと、
いっきに「パクチーサラダ」「パクチー鍋」まで開発していく。
タイにはもともとない料理まで、日本が発展させたのであり、
タイのひとがおどろいて当然の現象だと納得する。
高野さんはおすすめの本として、
『行商人に憧れて、ロバとモロッコを1000km歩いた男の冒険』
(春間豪太郎)を紹介された。
春間さんは、ロバをえらぶとき、
いちばん性格がわるそうなロバをえらんだのだそうだ。
性格がわるいロバは、
おそらくいちばんはやくころされるだろうから。
すごくおもしろそうな本なので、
さっそくアマゾンで注文する。
高野さんのおすみつきなので、信頼していいだろう。
阿古真理さんの著作もぜひよんでみたい。
新年そうそう、あたらしい本とのであいにめぐまれた。
タグ:高野秀行