2021年09月16日

定年後の読書について

『本の雑誌 10月号』の特集は、
「定年後は本当に本が読めるのか!?」。
たのしみにしていた特集だけど、
老後の読書として参考になるものはなかった。
いろんなひとが自分の体験をかいているものの、
老眼でちいさな字がよみにくいとか、
気力・体力がつづかない、など、
よめない理由はどれもきいたことのあるものばかりだ。
そして、退職すれば本をよむ時間がふえそうなのに、
あんがいよめないものだ、という意見もおおい。
自由な生活になれていないひとが、
きゅうに自由な時間をあたえられても
なれるにはいくらか時間がかかるだろう。
なにか生活のリズムをつくれる習慣があったほうが、
定年後をスムーズに生きられそうだ。
週に数時間の仕事をいれてもいいし、
運動で頭とからだのスイッチをいれるのもいい。
家でじっとしていたら、グダグダの生活になってしまうので、
たとえば図書館までの散歩をいれるとか。
頭をうごかすには、まずからだをうごかしたほうがいいというのが
これまでの経験からわかってきた。
ジョギングや筋トレほどはげしい運動でなくても、
家のそうじくらいのかるい運動で、確実に頭がきりかわる。
そうじさえめんどくさいときは、歯みがきをする。
とにかくなにかアクションをおこせば、やる気がでてくる。

定年後の読書として、具体的にあげていくと、
わかいころおもしろくよんだ本の再読がおおい。
・ホーンブロワーシリーズ
・梅棹忠夫著作集
・ジョン=アービングの作品
・北上次郎さんのおすすめミステリー
時間がいくらでもあるとおもっていると、
夏やすみの宿題みたいに、いつまでも手をつけないだろうから、
読書計画をたて、着実によみすすめていく。
仕事をやめたのだから、のんびりよめばいい、
なんていってたら、みのりある読書生活はおくれないだろう。
いちどよい習慣ができてきたら、あとはすんなりいくのではないか。

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2021年05月01日

『本の雑誌 5月号』のおすすめは「三角窓口」(投稿欄)

きのうにつづき『本の雑誌 5月号』について。
特集は「本屋がどんどん増えている!」で、
これもまた魅力的なタイトルではあるものの、
わたしがいちばんひかれたのは、
読者からの投稿欄である「三角窓口」だった。

・夢のなかで病院へいくと、「この本をよむように」と
 先生がタブレットをつかい、その場で発注してくれ、
 待合室でまっていると、本がとどく、というはなし、というか夢。
 そんな病院があって、じっさいに病気がなおればいいなー。

・夫は国語、妻は理科の教師、という夫婦で、
 夫は古典が専門のせいか、現代文学はまったくよまない。
 私(妻のほう)は理系だけど、趣味は読書。
 娘ふたりとも本はよまないけど、下の娘は文系で、
 言葉にかんするゆたかなセンスがある。
 家で一番本を読んでいるのは私なのに、
 国語のセンスのなさをかんじる、というもの。
 「本を読む楽しさを家族の誰よりも知っているから、
  いいけどね。」という達観がいいかんじだ。

・図書館にくる男の子で、いつも機嫌のいい子がいる、という報告。
 気もちのいいくらい、本当にいつもご機嫌な子なので、
 その子がくると まわりまで おだやかな気もちになるそうだ。
 そういう子って、たしかにいるなー。
 どんなおとなにそだつのだろう。

・漫才師の和牛がすきなひとからの投稿で、
 「生活の全てを賭けて和牛を応援している」そうだ。
 ボケの水田さんが、いままで一冊も本をよんだことがない、
 というのをしっておどろいたという。
 「あの緻密な伏線回収の漫才を書いている人が
  本をよんでいないとはマジか?」
 水田さんは、60歳になったら本をよもうかと おもっているらしい。

・アダム=サヴィジというひと(アメリカのユーチューバー)が
 えらんだSF本のトップ5という企画で、
 4作目が村上春樹さんの『1Q84』だった、という投稿。

「三角窓口」って、いつもこんなにもりだくさんだったっけ?
とまえの号をひっぱりだすけど、あまりおもしろくない。
5月号だけが突出してじゅうじつしているみたいだ。
その月の特集や、新刊本を紹介するページよりも、
『本の雑誌 5月号』は なぜか投稿欄へ意識がむかった。

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2021年04月30日

HIS(エイチ・アイ・エス)がひらいたそば屋さん

『本の雑誌 5月号』をよんでいたら、
旅行会社のHIS(エイチ・アイ・エス)が
都内にひらいた4店のそば屋さんについて とりあげていた。
きょねん緊急事態宣言がでたとき、
HISは全社員にむけて会社が新規事業を募集し、
そのなかから採用されたうちのひとつが
そば屋ということらしい。
どこかの大手と提携して そば屋経営のノウハウをいれるのではなく、
ひらいた4つのお店すべてが、まったくべつべつに
うごいているというからおもししろい。
それぞれに味とメニューがちがうのだから、
おなじ会社であるつよみをだせないような気がするけど、
自分たちの手でやる、というのがHIS文化としてあるそうだ。
まず自分たちの手でやってみよう、と。それに、自分たちがやることでスピード感が生まれます。(中略)今できることをすぐやって、失敗したら、また考えてやり直せばいいというのが会社の精神です。これまでも、そうしてきました

1980年にHISが旅行事業をはじめたとき、
机2つ、電話1本でのスタートだったという。
そのころは、格安航空券がひろがりはじめた時期で、
ちいさな会社がたくさんできて、それまでよりも
ずいぶんやすく外国へいけるようになっていた。
その後HISは旅行大手となり、わたしも外国・国内とも、
旅行するときはHISをつかっている。
新型コロナウイルスの影響で、旅行業界は
さきがみえにくくなっており、
これまでとおなじようにかまえていては経営がなりたたない。
HISのように、まったくあたらしい事業への展開も
こころみる必要があるのだろう。
旅行事業の穴うめとして、採算ばかりをかんがえるのではなく、
それぞれのお店で工夫をかさねるという、
やわらかい方針に好感をもった。

HISのそば屋さんをとりあげているのは、
平松洋子さんによる「そばですよ」という企画だ。
今回の記事で、もう70回も連載つづいている。
なんで『本の雑誌』が「そば」なのかよくわからないけど、
本についての雑誌が、本以外のことをのせても、
それがおもしろければ いいじゃないか、とおもう。
『本の雑誌』の、そんな なんでもありなところがすきだ。

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2020年12月12日

『おすすめ文庫王国 2021』いつもにましてテキトーな座談会

ことしも『おすすめ文庫王国 』の時期になった。
2020年に出版された文庫本のベスト10を
「本の雑誌」がきめていく。
といっても、職員の座談会によりえらばれるので、
例によってかなりいいかげんだ。
ことしは、例年に輪をかけたテキトーさといえる。
それまでのはなしあいで、時間をかけながら
職員がひとりずつベスト10候補をあげていき、
ランキングをきめてきたのに、
編集B あ、忘れてた。グレゴリ青山さんの『京都深堀りさんぽ』。
 おもしろいんだよね。表紙も可愛いし、ぜひ入れてください。
営業B もう一冊出してきた(笑)
編集A 隠し玉。いいんじゃないですか。じゃあ、
 それが六位で『地下鉄道』を九位に入れれば・・・。
発行人 よし、決定!

は、ないんじゃないかとおもう。
ちなみに、わたしがことしよんだ本は、ランキングされなかった。

毎年たのしみにしているジャンル別ベスト10が
なぜかことしはなくなってしまった。
海外ミステリーなど、参考にさせてもらっていたので、
どのジャンルもそっくりなくなったのは残念だ。
そのかわり、Bリーグ(文庫を出版している会社を、
Jリーグにみたてて順位をつけていくもの)はつづいている。
なぜその順位になったかの総評がとてもくわしく、
本家である文庫ベスト10よりちからをいれているのではないか。

興味ぶかかったのは、東京堂書店神田神保町店の店長を
昨年までつとめてきた河合さんが、
お店のベスト150を説明されている特集、
「手間暇かけた棚が生む個性派ランキング」。
神保町店は平台がすくないのが特徴で、
そのぶん文庫棚がじゅうじつしており、
すべての出版社の文庫をそろえているそうだ。
ベスト1がつげ義春の『つげ義春日記』というから、
かなり特徴のあるうれかたをしているお店なのだろう。
わたしがよんだ文庫は、ベスト150のなかに2冊しかなかった
(単行本でよんだものをのぞく)。
そのなかの1冊が『つげ義春日記』だったから、すこしうれしい。
ーー平台で面陳されているものから売れる印象ですけど。
河合 いやいや。実際に、棚からばかすか売れていきますよ。(中略)新刊を置くと棚差しから動くんです。売上占有率と棚構成率がマッチするように直していました。売れないのにたくさんおいてある、売れるのに少ない、というのは気づかないうちに起こるんです。
ーー気をつけてきたことは?
河合 平日は毎日来てくれるお客様が多いので、同じことをやっていたら飽きられて、売り上げは伸びません。入り口のすぐ右側の柱のところは、ほぼ毎日置く本を変えていました。

こうした工夫をかさねているお店は、
本がうれないといういまの時代でも
お客さんに支持されているだろう。

posted by カルピス at 16:19 | Comment(0) | 本の雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月14日

祝『本の雑誌』45周年&450号

『本の雑誌 12月号』は、「45周年&450号記念号」。
「本の雑誌」の45年をふりかえった
「本の雑誌事件簿」がおもしろかった。
現在の職員や、これまでにはたらいていたひと、
それに「本の雑誌」とふかくかかわりのある関係者が、
「本の雑誌」について おもいでをかたる。
「10大事件簿」は編集長の浜本さんによるもので、
「目黒考二ロックアウト」(部屋にはいれなくなっただけ)、
「目黒考二尿管結石に罹患」など、
「本の雑誌」らしく、どうでもいい「事件」がおおいなか、
「休刊危機」(2008年)や「菊池寛賞受賞」は
たしかに「10大事件」にえらばれるべきできごとだった。
とくに休刊危機は、きゅうにしらされた経営不振であり、
このさきどうなるか不安だったのをぼえている。
「本の雑誌」が、もし休刊になったら。
むかしみたいに隔月や季刊にしたら、という手もあるけど、
雑誌はいちど休刊になると、事実上それっきりになってしまう。
わたしには、本についてはなせるしりあいがすくなく、
この雑誌をひらくのは、同好の士があつまる
部室をおとずれるようなかんじがしている。
ことしは新型コロナウイルスがひろまるなか、
それでもあたらしい号をだしつづけてくれる「本の雑誌社」の存在が、
どれだけありがたいか はかりしれない。

毎月の特集では、本にまつわる あたらしいうごきにふれられるし、
「新刊めったくたガイド」は、旬のおもしろ本をおしえてくれる。
ときどきぶあつい海外ミステリーをよみたくなると、
「本の雑誌」からの情報はとてもありがたい。
わたしごのみの連載も、いつもいくつか用意されている。
いまは宮田珠己さんの「私がロト7に当たるまで」と、
高野秀行さんの「SF音痴が行くSF古典宇宙の旅」がたのしい。
目次をながめていると、あらためて雑多な内容なのがわかる。
450号もつづけてきて、よく毎月「特集」をくめるものだ。
12月号のさいごのほうに、
「本の雑誌社が45年間に刊行した単行本と別冊・増刊号」
の一覧がのっている。
8ページにわたる壮観なリストに、
「本の雑誌」がつみあげてきた歴史をおもう。

単行本をよむだけが、本のたのしみではなく、
すぐれた「雑誌」(という名の本だけど)もまた、
活字中毒者にはなくてはならない。
こんな本は、「本の雑誌」にしかつくれない。
あたりまえのように、毎月あたらしい
『本の雑誌』をひらけるしあわせをおもう。
これからも、ずっと「本の雑誌」とともに生きていきたい。

posted by カルピス at 15:58 | Comment(0) | 本の雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする