2018年02月19日

『本の雑誌 3月号』の特集「本屋さんになろう!」

『本の雑誌 3月号』の特集は、「本屋さんになろう!」。
本屋さんが消えていくと嘆くのならば、自分が本屋さんになればいいのだ!

たしかにそうだけど、いうまでもなく、
実行にうつすのは、なかなかたいへんそうだ。
特集には、これから本屋さんになりたいひとにむけて、
じっさいに本屋さんをはじめたひとのはなしがいくつかのっている。
もっとも、マニュアルではないので、
実例をいくつか紹介するだけにとどめてある。

那須ブックセンターをひらいた谷さんは、
とにかく普通の本屋をやろうと。特殊な店を作っても、一時的には流行っても結局あきられちゃうだろうしね。

といわれている。
このお店は、元コンビニだったたてものを、
本屋さんとしてつかっている。
コンビニくらいのひろさが、
あんがいてごろなのかもしれない。
けっこうな数を本をならべられるし、
ひろすぎてたいへんでもなさそうだ。
いなかのコンビニには、
駐車スペースがじゅうぶんに確保されているので、
本屋さんにぴったりにおもえてきた。

もうひとつの例として、奈良県の大和郡山市に
8坪ほどの本屋さんをひらいた砂川さんが とりあげられている。
「とほん」という名の、このお店のちかくには、
カフェや料理教室があり、
ぜんたいとして おもしろそうな一画となっている。
(とほんは)ゆったりとした陳列で、売場の3分の1程度は雑貨を並べています。在庫数は少ないので、目的の本を探すというよりは、並んでいる本の中から気になる本を見つけてもらえるよう心がけて選書しています。(中略)5年、10年かけても売りたいと思えるものを厳選することで、どの本も自信を持ってお客さまにお薦めできます。

「普通の本屋をやろう」という那須ブックセンターと、
「気になる本をみつけてもら」いたい、という とほん。
まったくちがうかんがえ方だけど、
お店の姿勢がはっきりしていれば、
その特徴をこのむお客さんが常連になってくれるのだろう。

わたしがすむ町に、本屋さんは たった4軒しかない。
このほかに、ブックオフが3店舗。
いごこちのいい居酒屋が 町には必要なように、
すきな本にであえる本屋さんが、身ぢかにあったほうがいい。
もっとたくさんの ふつうの本屋さんと、
もっとたくさんの 特徴のある本屋さん。
「本屋さんになろう!」は、
「本の雑誌」ならではの ストレートな特集であり、
おおくの反響があるようねがっている。

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2017年12月14日

『本の雑誌 1月号』2017年度ベストテン

『本の雑誌 1月号』

まいとし本の雑誌の1月号では、その年のベスト10がえらばれる。
いいとおもった本を社員が推薦し(複数)、
「雑」な座談会で順位をきめていく。
賞や本のえらびかたには、いろいろな方法があるわけで、
本の雑誌のような、いっけんテキトーな座談会も、
ひとつの方法であり、けしてわるいとはおもわない。
ことしのベストテンをみると、わたしがよんだ本は
全ジャンルをあわせても、1冊もなかった。
本ずきの読書ベタ、という人種なのかもしれない。
ちなみに、村上春樹さんの『騎士団長殺し』は、
全体のベストテンでも、現代文学の部のベストテンでも、
名前すらあがっていなかった。
本の雑誌と村上さんは、あまり相性がよくないようだ。

座談会方式はいいとしても、
すぐれた作品がランクインしないようではこまる。
せんじつよんではげしくおどろいた
佐藤正午さんの『鳩の撃退法』について、
その年のベストテンをしらべてみたけど、
まったくふれられていない。
出版されたのが11月で、微妙な時期だったせいだろうか。
新刊を紹介する記事ではとりあげられていたのかもしれないけど、
ベストテンの候補にあがらないのは理解しにくい。
本の雑誌は、佐藤正午さんの『ジャンプ』を
2000年のベスト1にえらんでいるので、
相性のちがいなどが原因ではないはずだ。

まあ、ベストテンえらびは一種のあそびであり おまつりだ。
おなじアホならおどらないとソンなのは
おどりも本の世界もいっしょだろう。
本がすきというわりによんでないわたしのようなタイプは、
自分がいかに本よんでないかを自覚する いい機会かもしれない。
ベストテンえらびではなされる推薦の理由をよむと、
本の雑誌社の社員が ほんとうにおもしろいとおもった本なので、
それぞれの発言に説得力がある。
ことしはとくに、ノンフィクションがおおくとりあげられており、
推薦にしたがってすなおに本をえらべば
自分と縁のない世界をしる ゆたかな体験となりそうだ。
わたしは本の雑誌の方向性を信頼しているし、
この雑誌をよめるのが、どれだけしあわせか、
ありがたくおもっている。
よみものとしてだけでなく、本のガイドとしてもうすこしいかしたい。

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2017年12月11日

『おすすめ文庫王国 2018』(本の雑誌社)

『おすすめ文庫王国 2018』(本の雑誌社)

『おすすめ文庫王国』がことしも発売された。
ブックガイドとしてたのしみにしているとはいえ、
どのジャンルも、わたしがしらない本ばかりがならんでいる。
いかに本をよんでないのか、おもいしらされるときだ。
でもまあ、しらなかったおもしろ本をおしえてくれるのだから、
ありがたい企画であり、
『おすすめ文庫王国』を参考に、本屋さんをあるくのが
年末のたのしみとなっている。

いまちょうど、今月の22日からでかける
タイ旅行の準備をしているところで、
どの本をもっていくのかをえらぶのがたのしい。
まえは、最低10冊はカバンにいれるので、
それだけでけっこうな荷物になっていた。
わたしの旅行は 年末から年度末にかけて でかけることがおおく、
『おすすめ文庫王国』を参考にえらびがちだ。
よみたい本をリストアップすると、
どうしてもよくばってえらんでしまう。
いつも最小限の荷物にとどめようとするのに、
10冊のおもさのまえには、すこしぐらいほかの荷物がふえたって
たいしたことのないようにおもえ、
ついには逆上して あれもこれもとカバンにいれてしまう。

3年まえにベトナム・ラオス・タイをまわったときは、
もうキンドルをもっていたにもかかわらず、
あいかわらず10冊の文庫本をもっていった。
このおもさこそが、おれの旅行スタイルなのだと、
ひらきなおったのをおぼえている。
でも、こんかいは、紙の本を3冊にとどめ、
究極のかるい荷づくりをめざすつもりだ。
基本的に本はキンドルでよむ。
すこしまえから、あるいての通勤にしたり、
レースまで酒をかんぜんにやめたりと、
自分でいうのもなんだけど、わたしのからだと頭は、
なにかがかわったような気がする。
ものがなくても平気でいられるような、
さとりをひらいたかもしれず、
きっと荷づくりにもその変化があわられるだろう。
休日に2時間ほどあるくとき、なにも荷物をもたない快感をしった。
旅行へは、30リットルのリュックでいくつもりだ。
便利さよりも、かるさを大切に荷づくりをすすめたい。
10冊の文庫本を聖域にしていては、
いつまでたっても身がるな旅行ができない。

『おすすめ文庫王国』でとりあげられた本のいくつかは、
キンドルでもかえる。
こんかいの旅行は、読書スタイルをかえた第一歩として、
わたしの個人記録にきざまれるはずだ。

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2017年10月18日

『本の雑誌 11月号』の特集は「書庫を建てよう!」

『本の雑誌 11月号』の特集は「書庫を建てよう!」。
自宅の庭に、10万冊もはいる書庫をたてた
水鏡子さんが紹介されている。
10万冊というと、ちょっとした図書館といっていい。
水鏡子さんは、結婚せず、自動車ももたず、
ひたすら本に時間とお金をかけてきた。
庭にたてた書庫は、3番めの書庫であり、
自宅にある第1書庫と第3書庫をあわせると、3万冊もはいるのに、
それが、予想よりはやくいっぱいになり、第3書庫が必要になった。
水鏡子さんは、とくに親から財産をひきついだわけではなく、
自分ではたらいたお金を、本をかうのにあててきた。
車を持たんだけでも年に2,30万ずつゆとりが出るんですよ。それだけで30年で1千万。
嫁さん持たなかったら1千万。子どもを持たなかったら2千万。合わせて4千万くらいできるわけです。

おもしろかった企画は、
「蔵書家の家族の声をきけ!」で、
目黒考二さんの次男である謙二さんが
目黒家の事情を紹介している。
さきほどとりあげた水鏡子さんは、
家族がいないから問題はないけど、
家族のある蔵書家は、家でどうふるまっているのか。

目黒さんは、まあ、だいたいは予想どおりというか、
まったく家族の迷惑をかえりみない態度をつらぬぬいている。
目黒さんというと、家族小説がだいすきで、
こまやかな感情だって当然ながら理解しているのに、
自分の家族となると、またはなしはべつらしい。
べつというよりも、ひとに迷惑かもしれないという
ふつうの感覚がすっかりぬけているのが不思議なほどだ。

わたしは、それほど本をもっているわけではないけど、
台所に自分用の本棚をもちこんでいるし、
わたしの部屋においてある配偶者のタンスが非情に邪魔なので、
これさえなければ理想の書斎が完成するのにと、
非情にネガティブな感情にとらわれがちだ。
どんな理由をつけたら ほかの部屋へ移動できるのか、
延々とかんがえつづけるけど、いいアイデアがうかばない。
けっきょく わかれるしかないのかと、はやまりそうになる。
基本的に、本をためこみがちな人間は、
自分の欲望だけに忠実であり、
まわりが迷惑かどうかまで気がまわらない。
書庫をたてたら、本の整理がいっきょにすすむので、
家族のためにもいいことなのだろう。

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2017年08月14日

宮田珠己さんの「たのしい47都道府県正直観光案内」に島根が登場

宮田珠己さんが『本の雑誌』で連載ちゅうの
「たのしい47都道府県正直観光案内」は、
毎回どこかの都道府県をとりあげて、
その土地ならではの観光スポットを紹介している。
こういう企画は、とかく耳ざわりのいいことばが ならびやすく、
おおくの観光案内がにたような内容になりがちだ。
そうならないために、宮田さんが担当しているわけで、
この連載では、宮田さんぐらいしか関心をもたないのでは、という
きいたことのない地名やたのしみかたが紹介されている。
各都道府県のかくされた特徴をあぶりだし、
実用性はあまりないけど、よみものとして興味ぶかい
「正直」な観光案内が特徴となっている。

その連載に、ようやく島根と鳥取がとりあげられた。
毎回ふたつの都道府県が紹介されており、よくにた県として、
島根と鳥取がセットであつかわれるのは、
いたしかたのないところだろう。
でも、ますますよむひとの誤解をまねかないだろうか。

島根と鳥取は、ほかの都道府県にすむひとからみると、
地理的な関係がおぼえにくいそうで、
どっちが島根でどっちが鳥取なのかがわからないという。
それを逆手にとって「島根は鳥取の左側です」と
鷹の爪団の吉田くんが自虐的にいうのだけど、
こうやってひとくくりにあつかわれると、
ますます「どっちが左側だっけ?」となりそうだ。
どっちがどっちでも、世界情勢にはたいして影響がないので、
いつまでたっても、あいかわらず「島根はどっち?」となる。
おなじような人口で、おなじように地味な県が
たまたまふたつならんでるのだから、
まちがわれてもしかたがないと、
地元の人間はほとんどあきらめている。

かんじんの記事のほうは、島根・鳥取とも
いまひとつきれあじがよくない。
宮田さんらしさがあまりかんじられず、
したがって、どこかの観光案内とたいしてかわりがない。
宮田さんをもってしても、島根と鳥取は
にたような印象しかのこせなかった。

島根と北朝鮮の財政規模はいっしょ、と
だれかがいっていたけど、ほんとうだろうか。
島根みたいな小規模の予算でまわしている国が、
あんなにたくさんのロケットをうちあげても大丈夫なのか。
やってることの是非はともかくとして、
島根とおなじような貧弱な財政規模の国が
一生懸命わるあがきをしているようで、いたましくおもえてくる。

posted by カルピス at 10:41 | Comment(0) | 本の雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする