ファミレスでの体験がかいてあった。
http://yaginome.jp/?p=2278
となりの席の親子づれが注文した肉に、
味がついてなかったそうで、
店員はたしかめたあとあやまって、
あたらしいものと交換した。
さらに、中学生くらいの子が注文した
「エビのジェノベーゼ」にエビがはいっておらず、
父親がやんわりと店員につたえている。
林さんは、アンラッキーな親子だとおもいつつ、
子どもがずっと「うける〜」とわらっていたことに気づいた。
不運が訪れても笑っていられるその姿勢で彼は一生楽しく過ごせるだろう。
そしてあのファミレスは厨房にとんだ地雷みたいな店員がいる。
冷静な観察とともに、とてもうつくしい文章だ。
「点」をひとつもうってないのに、
わりとながい一文を、すらすらと自然によめる。
中学生くらいの年齢で、自分の不運をわらえるのは、
たしかに うまれもった才能なのだろう。
きっと彼は、林さんの予想どおり、
たのしい人生をおくるにちがいない。
そして、「とんだ地雷みたいな店員がいる」も、
くりかえしよんでいると、だんだん味がでてくる。
ふざけた文章みたいだけど、
1組の客にたいし、ありえないミスを2つもかさねるのは、
「とんだ地雷みたいな店員」とよぶのがいちばんにつかわしい。
どんなにヘラヘラした人物なのだろう。
あるいは、まじめにやりながら、これだけずれているとしたら、
それはそれで よけいにすくわれない気がする。
こわいものみたさで、どんなひとなのか興味がわいてくる。
林さんの感想は、
「おれのは味がついててよかった」。
味のついてない肉や、
エビのはいってない「エビのジェノベーゼ」みたいな
ありえない不運が、人生にはいくらでもおこりえるのを
林さんはよくこころえている。
お店にむけたいかりではなく、
自分が災難をまぬがれて幸運だった、というのだから、
林さんも、となりの席にいた中学生みたいに、
「一生楽しく過ごせる」ひとなのだろう。