2021年08月23日

みんなで筋肉体操のキモは「限界までおいこみきる」こと

「みんなで筋肉体操」について、
このブログになんどかかいてきた。
筋肉はうらぎらない、
あと2回しかできない、
あすの筋トレがいまからたのしみ、など、
講師の谷本さんが独特のいい方ではげましてくれる、
5分間ほどの あの体操だ。
まいにちかかさずとりくんでいるうちに、
このトレーニングのキモは、
「限界までおいこみきることが大切」
なのが、いまさらながらわかってきた。
うでたてふせが、まともにできないひとでも、
100回を楽にこなせるひとでも、
だれでも「限界までおいこみきる」ことはできる。
回数ができるようになることより、
そのつど、限界までおいこめば、
筋トレの目的をはたしたことになる。

たとえば、胸の筋肉が女性はよわいので、
うでたてふせをしようとしても、きれいなフォームで
10回できるひとはあまりいないだろう。
そういうひとのために、谷本さんは、
ひざをついたり、ひざとうでの距離をみじかくしたり、
テーブルをつかってななめの姿勢をとったり、
それでもできなくなったら5秒やすんだり、と
いろいろは方法で回数をこなせるように配慮している。
あるていど回数をこなせないと、
やる気をなくしてしまいがちだけど、
ひざをついたり、テーブルをつかったりしたら、
できる回数がふえ、ふえれば、とりくむ気になりやすい。
でも、谷本さんがほんとうにもとめているのは、
回数よりも、きめられた秒数、
とにかく全力をかたむけることのほうだ。
これを、谷本さんふうにいうと「限界までおいこみきる」となる。

わたしは、まいにちとりくんだあとに、回数を記録しているけど、
たとえ数年以上つづけても、右肩あがりには回数はふえていかない。
ながい停滞のあと、さらに回数がおちたり、
かとおもうと、なんでか調子よくできる日があったりと、
自分のからだでも、よくわからない。
回数がすくないと、いじけてしまいがちだけど、
大切なのは、「限界までおいこみきる」ことだとおもえば、
回数はよこにおいておき、とにかく、全力でとりくばいい。
イチロー選手が、打率より
ヒットの数にこだわったのとおなじだ(ほんとうか?)。
あまり気がすすまない日でも、数が目的でないと はじめやすい。

シリーズ1のうでたてふせは、ゆっくり20回こなしたあと、
全力で30秒、そのあと10秒やすんだのち、
また全力で20秒、というメニューだ。
かなりくるしい1分間になるし、
調子がよくない日は、30秒やっているときに、
こりゃ、きょうは回数がのびないな、というのがわかる。
わかっても、全力で30秒つづけるのがなによりのポイントだ。
いつもより回数がすくなくても、
とにかく30秒間、その日のベストをつくす。

なぜだかわからないけど、いまのところ
わたしはまいにち「筋肉体操」をつづけている。
バーベルやダンベルをつかったトレーニングにくらべると、
地味で、モチベーションをたもちにくい。
それでも、とにかくまいにちつづけているわたしは、
もしかしたら筋肉体操において、天才なのかもしれない。
やらない、という選択肢をなくし、
つかれていても、やりたくなくても、とにかく毎晩とりくむ。
ほかのこと、たとえば勉強や仕事では、
「限界までおいこみきる」感覚がわかりにくいけど、
筋トレだと あきらかに ベストをつくした実感がある。
どんな とき でも まいにち こつこつ やること たいせつ です

とブルガリア出身の鳴戸親方がいったそうだ。
コツコツは、あんがいわたしにむいているのかも。

posted by カルピス at 21:49 | Comment(0) | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月22日

『FAMILY GYPSY/ファミリー・ジプシー』家族4人で世界一周

『FAMILY GYPSY/ファミリー・ジプシー』
(高橋歩・A-Works)
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家族4人で世界一周したはなし。
旅行記ずれしてきたわたしは、
このたぐいの本に あまり手をださなくなった。
おもいがこめられすぎて、あまりおもしろくないから。
あるいは、自分がやっていることを
「すごいでしょー」とはしゃいでしまっているから。
著者が、自分の旅におもいいれするのは当然としても、
からまわりして、ごくふつうの旅行記になりがちだ。
でも、この本はおもしろかった。
よみやすいしあがりと、自分のかんがえを、
作者がありのままにさらっとかいているからだろう。
背のびせず、そのときの気分がくっきりと記録されている。
ちからのぬけかげんが絶妙で、たのしさがつたわってくる。

この手の本は、とかく たずねたところを順番にすべてかき、
なかなかよむ気がおこらないほど
めちゃくちゃこまかい記録になりがちだ。
高橋さんのこの本はかなりぶあつく、
なかなかひらいてみる気になれなかった。
でも、いったんよみはじめると はやかった。
左のページは写真、右のページは文章というレイアウトなので、
319ページを、ほんの2時間でよみおえている。
あっというまに世界旅行をした気になれた。
右のページの文章は、芸能人のブログみたいに
行間がひろく、文字数はあまりない。
だからといって、内容がうすいというわけではなく、
著者がつたえたいことと、本のレイアウトがぴったりあっており、
ぶあつくても すらすらとよみすすめられる。

「もし、なんでも夢が叶うとしたら、何をしたい?」
と高橋さんが妻のさやかさんにたずねたのが
旅のきっかけだった。
かるい話題のつもりだったのに、
はなしはすぐ実現にむけてうごきはじめ、
資金の準備やら自宅の整理やらをすすめる。
本をよみおえてしったのだけど、
高橋さんは、夫婦の旅行として 世界一周をすでに体験している。
こんどは子ども2人をつれてなので、状況がかわるとはいえ、
旅行のノウハウをじゅうぶんしりつくしている2人だ。
北米大陸とオーストラリアではキャンピングカーをレンタルし、
アジアでは安宿にとまってお金を節約する。
子どもがいるので、アフリカ大陸は、ケニアでのツアーと、
南アフリカだけにしぼる。
一生にいちどの旅行、という気おいはなく、
いまできることを、できるだけたのしもうという姿勢が
家族全員に共有されている。
4人はぶじ日本にもどってきたけど、
これからもずっと日本にいるとはかぎらない。
根っからの自由人として、高橋さん一家はくらしていくだろう。
こういう仕事がしたい=「職種」で仕事を選ぶんじゃなくて、
こういう生活ができる仕事=「ライフスタイル」重視で仕事を選ぶ。創る。

大好きな人たちと、笑いあって過ごすこと。
俺が求めているのは、結局、それだけかもしれない。

世界の平和を願うなら、
まずは、目の前のひとを大切にすることから。

いいことがあったから、元気なんじゃない。
元気にやってるから、いいことが起こるのさ。

若い頃は、お金をいっぱい稼いでリッチな暮らしをしたい、って頑張っていたけど、あるとき、なんか違うな、って気付いたの。
やっぱり、好きなもの、好きなひとに囲まれて過ごしたい、って想って。

著者のスケールのおおきさにふれると、
自分のちいささがいやになってくる。
日ごろ気になっているささいなことは、
ぜんぶどうでもよくおもえてきた。

posted by カルピス at 21:12 | Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月21日

ヨシダプロ氏の「人生はデフォルトでは無観客」に共感する

ヨシダプロ氏が、デイリーポータルZに
毎年恒例の「夏休みおとなの絵日記」をのせていた。
https://dailyportalz.jp/kiji/otona-no-enikki-2021
さすがに東京五輪がらみの日記がおおい。
なかでもよかったのが
五輪で知らない国同士の試合が
無観客の会場で行われているのを見ると、
一体これは何なのか、部活の練習か、と思える。

と、もうひとつ。
五輪の競技で無観客なうえに
放送まで無しとなると、
一体何のためにやっているのか、と
モチベが難しそうだが、
人生というのはデフォルトでは
無観客で放送も無いものなのである。

このふたつをあわせると、
日本がらみではない試合が
無観客・放送なし、でおこなわれた場合、
選手たちは、わざわざ東京まできて
いったいなにをしているのかと、
モチベーションをたもちにくい、となる。

だれもきいてないところで森の木がたおれたら、
その現象は現実かどうか、という禅問答みたいなのがあるけど、
東京の体育館で、ひっそりと試合がおこなわれたら、
はたしてそれは五輪の試合とおもえるかどうか。
おおくのひとが注目してくれたり、
テレビで放送されるから、選手たちはやる気がでるのであり、
無観客の会場で、テレビカメラもなし、となれば、
わざわざ東京にくる必要があったのか、という気がしてくる。

五輪がおわり、あとから評価がたかまった競技に、
スケボーなどのマイナースポーツがある。
おおきな組織がバックにあるわけではなく、
ただすきでやっています、というかんじがこのましい。
いぜんからある競技だけでなく、
こんなふうに、あたらしい競技が五輪の種目にとりいれられたら、
わかいひとたちも、関心をもつかもしれない。

反対に、種目のなかにはおなじひとばかりが参加するものもある。
乗馬とか射撃は、いちぶのひとだけが独占しているようで
五輪の種目として適切かどうか疑問だ。
ほかの競技も、たとえば野球は人気がある国のほうがすくないし、
サッカーはU-23とかで、べつにやらなくてもいい大会だし、
バスケットボールは3人制とか、わけがわからなくなっているし、
ふるくからある陸上や水泳は、栄誉とかなんとか
いろんなものがくっつきすぎているし、
けっきょく五輪はたいして必要のない大会におもえてくる。
まだマイナーで、五輪に参加しなければ、
その競技をしってもらえない、というのなら しかたないけど、
そうでなければ、種目としてとりいれなくてもいいのでは。
誘致にまつわる不正や、IOCの偽善的な体質、たかすぎる運営費など、
五輪の本質がうきぼりになってきたのが今回の東京大会だ。
無観客・放送なしの開催は、いろいろなことをおしえてくれた。

posted by カルピス at 21:51 | Comment(0) | デイリーポータルZ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月20日

「女の子だって甲子園!」(『花鈴のマウンド』)がおもしろそう

朝日新聞では、すこしまえから
女性が硬式野球にとりくむ記事を目にするようになった。
けさも『花鈴のマウンド』というマンガが
1ページをまるまるつかって広告されていた。
「女の子だって甲子園!」なのだそうだ。
あれだけ「高校野球」がさわがれたら、
女の子だって甲子園をめざしたくなるだろう。
じっさいに、女子生徒が男性の硬式野球部にはいり、
野球をする記事もいくつかのった。
硬式野球がどんなルールになっているのかしらないけど、
女子生徒が男子生徒にまじって甲子園をめざすのは、
いまの環境では いろいろむつかしそうだ。

ちいさなころから男の子にまじり
野球をやっていた女の子にとって、
高校生になると、自分たちのいきさきが、
とつぜんきられてしまうのは さぞかし残念だろう。
甲子園をめざす 男子だけが脚光をあびるなんてずるい。
サッカーでは、女子サッカーというカテゴリーが以前からあり、
女性だけのチームがあるし、大会にも参加できる。
野球にも、女性だけのリーグがあるのかもしれないけど、
わたしはそこらへんの情報にうとく、
これまで女性による野球について まったくしらなかった。

アメリカには、女性だけのプロリーグが以前はあり、
『プリティ・リーグ』として映画にもなった。
ウィキペディアによると、第二次世界大戦で、男たちが兵役にとられ、
メジャーリーグの存続があぶなくなったことから、
女性だけによる野球のリーグがつくられたそうだ。
1954年をさいごにリーグは運営されなくなった。
女性のサッカーリーグはあるのに、野球がないのは、
どんな事情からだろうか。

日本には、マンガの『花鈴のマウンド』だけでなく、
現実にも 女性による硬式野球チームがあるようだ。
男だけに野球をひとりじめされるのではなく、
自分たちもたのしみたいと、
すくなくない女性が野球をつづけている。

女性による野球というと、
わたしは沖倉利津子さんがかいたマンガ、
「セッチシリーズ」をおもいうかべる。
中学生の武田世津子(セッチ)は、女の子だけど、
男の子にまじって野球をたのしんでいる。
セッチがすすんだ高校には女性の野球部がなく、
しかたなくセッチはソフトボール部をえらぶ。
「セッチシリーズ」は、野球だけをあつかったマンガではないし、
作者がいちばんいきいきとかいていた時期はみじかく、
セッチがソフトボールにすすんでからは
よみものとしてあまりおもしろくなくなった。
「高校野球」からイメージされる根性主義がわたしはすきではなく、
セッチシリーズでのセッチは、ただ野球がすき、という
ゆるい雰囲気なのが気もちよかった。
「セッチシリーズ」は、女性が野球にしたしむときの
ひとつの理想だったのではないか。

posted by カルピス at 22:09 | Comment(0) | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月19日

気温のデーターで脳トレしても効果なし

脳トレには、記憶力を刺激するのがよさそうなので、
朝ごはんをたべながら新聞をみるとき、
まえの日の最高気温・最低気温、
それにくわえて、それぞれ例年との気温差を
ほぼ日手帳にかきこんでいる。
新聞の「気温と湿度」欄に、各地のデーターがのっているので、
松江について、4つの数字をしばらくにらんでおぼえたあと、
手帳にかきだし、ぜんぶあっていたら赤色で丸をつける。

おぼえやすい数字、たとえば30.0とか2.2なんて数字のときは、
すぐに記憶でき、わりとまちがえずにかきうつせる。あたりまえだ。
その反対に、24.1や27.9など、ちょっとややこしくなると、
何秒かけてもおぼえられない。
8月17日の松江は、最高気温26.3/例年との差-6.3、
最低気温22.5/例年との差-0.8/だった。
ほぼ日手帳にかきこんだ数字が、4つとも正解だったので、
記憶力がついたとよろこんでいたら、これは鳥取市の温度だった。
そもそもの、最初からあつがえている。
松江の温度についてやりなおすと、
こんどは4つのうち3つがまちがっていた。
記憶力がついてきたと、よろこんでいたのに、
記憶しやすい数字についてだけ、
おぼえるコツを身につけたにすぎず、
じっさいの記憶力はあいかわらず残念なレベルにとどまっている。
もう5年もこうやって毎朝しこしこと数字をおぼえていたのに、
まったく記憶力アップに役だっていなかったのは残念だ。
もっとも、もともとわるかった記憶力が、
さらにわるくなっていないだけでも、効果があった、
とかんがえることもできる。
ちからをつけられなくても、ちからをおとさないだけでとおとい。

ヒロシさんの「駅前迷宮グルメ」をみていたら、
タイのノーンカーイへでかけるはなしだった。
ラオスの国境にちかいこの町は、わたしもいこうとしたことがある。
「駅前迷宮グルメ」でも、まえにとりあげていたのをみた。
コロナ禍になってからは、あたらしい町にでかけられないので、
まえに放送した映像を再編集して、
国内編とあわせて放映するようになった。
再編成ものになってから、まだ1年ちょっとしかたっていないから、
さすがのわたしでも、よくおぼえているはずだ。
でも、番組をみても、うっすらと記憶している場面はあっても、
全体について、これはたしかにみた!と、
自信をもっていいきれるほどクリアーな記憶ではない。
けっきょく、夕ごはんをたべながら、
ほとんどはじめてとおなじように番組をたのしめた。
徳をしたような、なさけないような、へんなかんじだ。
わたしより、配偶者のほうが、まだおぼえていた。
ノーンカーイとか、ウドンターニー、コーンケーンなど、
きいたことがあっても、まだいったことがない町だと、
頭のなかでぐちゃぐちゃな記憶になってしまう。
どこへいっても、駅まえをぶらつき、
目についた食堂にはいる、というながれはかわらないから、
ますますどこの町のはなしなのかがわからなくなる。
いちどいった町は、記憶にしっかりのこる。
はやくまたタイの町をぶらつきたくなった。

posted by カルピス at 21:23 | Comment(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月18日

『本の雑誌』10月号の特集「定年後は本当に本が読めるのか!?」がたのしみ

『本の雑誌 9月号』をもとめ、ひととおりながめる。
さいごから2番目のページは次号予告と編集後記がのっている。
10月号の特集は、「定年後は本当に本が読めるのか!?」だという。
これこそわたしがしりたい情報だ。
定年後は、おもっているように、本がよめるのだろうか。
『本の雑誌』10月号がいまからまちどおしい。

あと5年たらずで定年をむかえるわたしは、
ずっとまえから本にどっぷりつかる 定年後の生活を夢みてきた。
これまでにも、仕事をやめたり、
きわめてみじかい時間の仕事だったりと、
ながめの休暇を多少なりともすごしてきた。
その経験からいえるのは、仕事をやめたからといって、
本をよむ時間がめちゃくちゃふえたりはしない、ということだ。
雑用におわれ、いちにちがなんとなくおわるのは、
仕事をしていても、していなくても、あまりかわりはなかった。

いまだって、やすみの日はダラダラとすごしてしまうことがおおい。
いつもの時間に目をさまし、そこそこの運動をして、
かいものをすませると、もうおひるご飯の時間だ。
ひるねをしたら、そのまま夕方になだれこむ。
まとまったことをせずに いちにちがおわってしまう。
定年となり、時間はあるにもかかわらず、
読書がすすまない生活になりそうなことは想像がつく。

定年後に本をたくさんよもうとおもえば、
まるで仕事をしているかのように
規則ただしい生活をおくったほうが
本を中心にしたリズムをつくりやすいかもしれない。
よみたい本をリストアップし、読書計画をたて、
よんだ本についてブログにかく。
これまでほったらかしてきたブログを整理し、
本に的をしぼったサイトを、あたらしくつくりたいともおもう。
なにかあたらしいことをはじめると、生活にはりがうまれる。
知的消費だけでなく、知的生産にもとりくみたい。
やれやれ やっと定年だ、といったん気をぬいてしまえば、
本にむかうときに、新鮮な気もちをたもちにくいだろう。
これまでずっと職場にかよってきた人間は、
きゅうに時間がふえても、おそらく自由にはつかえない。
本気で老後の読書をたのしむためには、
いまのうちから、はやめに老後の読書をはじめたほうがいい。

わたしの本棚には、2どめの読書をたのしみたい本が、
定年後によまれるのをまっている。
新聞などの書評からも、よみたい本はどんどんふえていく。
本をかうお金はともかく、よむ本にはこまらない。
問題は、本にむきあうときの、こころの安定だ。
精神的に不安定だったり、自分と家族の生活に問題があれば、
こころやすらかに本をひらけない。
充実した定年後は、おだやかな日々の実現にかかっている。
『本の雑誌』10月号は、定年後の生活について、
どんな方法をおしえてくれるだろうか。

posted by カルピス at 22:05 | Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月17日

『藤井聡太論』(谷川浩司)藤井さんのつよさの本質とは

『藤井聡太論』(谷川浩司・講談社α新書)

藤井聡太さんのつよさを、永世名人の谷川さんが分析する。
将棋の本というと、棋譜がいくつもならび、
とりつきにくそうな印象があるけど、
この本は、さいごのほうに、すこしだけ棋譜がでるだけだ。
谷川さんは、データーを駆使して、
藤井さんのつよさにせまろうとする。
たとえば、藤井さんの年間勝率は8割4分で、
それをコンスタントに4年つづけることがいかにすごいかを、
谷川さんはほかの棋士とくらべて説明する。
大山・中原など、有名な棋士が活躍した時代、
羽生世代、そして藤井さんの登場と、
いまにつらなる将棋界のながれを俯瞰できるのは、
第一線の棋士でありつづける谷川さんならではだろう。

藤井さんは、連勝記録や最年少記録などに価値をおいてない。
藤井さんは、自分がつよくなることで、
将棋の真理にせまりたいとねがっており、
だからこそ、かった・まけたに一喜一憂するのではなく、
いい内容の将棋をさそうとする。
自分も棋士である以上、谷川さんだって
ほかの棋士を手ばなしにほめたりはしたくないだろう。
谷川さんがこの本をかいたのは、
藤井さんの将棋観に共感するところがあるからではないか。

糸井重里さんが、「今日のダーリン」のなかで
 
ポルシェがくるのか、ベンツがくるのかってね。
 そしたら、どっちでもなくて‥‥ジェット機だった!

という比喩を紹介している。
つよいのはわかっている。でも、どれだけつよいかは、
ふだん将棋をささないものにはわかりにくい。
「ポルシェでなくジェット機」というのは
圧倒的につよいのだとイメージしやすい。

いまの名人である渡辺明さんは、藤井さんのつよさについて
いままでもタイトル戦で負けたことはありますけど、今回の棋聖戦のような負け方をしたことはありません。自分がまったく気づいていない想定外のことが起きまくっているんです

名人としてのプライドにとらわれず、
藤井さんがどんなにけたはずれのちからをもっているかを
おどろきとともに、客観的にかたっている。

A1の発達は、人間のかんがえがおよばないところまでさきをよみ、
たしかにつよいけど、血のかよってない将棋、
みたいなイメージをわたしはもっていた。
でも、いまの将棋界は、おおくのトップ棋士がA1をとりいれ、
A1の存在なしにはかたれなくなっている。
A1の進化と藤井さんの登場により、将棋界は新たな時代を迎えた

と谷川さんはかんじている。
相手にかつためではなく、将棋の真理にちかづくために、
藤井さんはつよくなろうとする。
結果として、トップ棋士との対戦がおおくなり、
藤井さんは、これからもさらにつよくなっていくだろう。

posted by カルピス at 22:43 | Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月16日

オリンピックの本質をえぐりだす大北栄人さんの実験

デイリーポータルZにのった
「めちゃめちゃに運動して金属の円盤を首にかけられると嬉しいのか」
(大北栄人)がおもしろかった。
https://dailyportalz.jp/kiji/to-get-a-metal-medal
なんであんなに金、銀、銅、金、銀、銅、と金属種を言ってるのだろうか。もしかしたら運動して首に金属の円盤状のものをかけられる行為にはものすごい良さがあるのだろうか。
だとしたら一度やってみないといけないのではないだろうか。

ためすにあたり、なんの運動でもいいとはいえ、
野球やサッカーではこのみがでてしまうので、
ここではバスケットボールほどのおおきなダルマを
いろいろうごかす運動に大北さんがとりくむ。
時間は1分間。
気温34.8℃でのダルマまわし1分はきつそうだ。
服には日の丸をぬいつけてある。
応援をうけるとちからのはいり方がちがうのだという。
遠くからカメラマンである安藤さんから声が聞こえる。自分がオリンピック選手のようなイメージを抱く。故郷の人も応援しているのだろうなと。
するとこれは個人戦ではなく団体戦であるように思えてくる。自分の体ではなくみんなの体のような気がしてくるのである。
今だるまを持ち上げる力を抜くのは簡単だ、だがそれは個人の考えによるもので許されないだろう。この体は所属している集団のものなのだから。

そして、いよいよごほうびとして、首に金属の円盤をかけてもらう。
なんとなく、銅より銀、銀より金のほうが
ありがたくおもえてくる。でも、この気もちはほんものだろうか。
ためしに、蛍光ピンクの円盤をかけてもらう。
しかし、なんとなく納得いかない。
それではと、1万円札を首にかけてもらう。
「一分で一万円だからすごいよ!」と安藤さんは言う。たしかに総理大臣クラスの時給だろう。だが納得はいかない。お金に換算されている違和感がある
金じゃねえんだ…という思いがある。この競技がなんなのかはわからないのに

ほかにも鍋のふたをためしたあと、
こんどは花を首にかけられた。
花か〜!! これがなんでかはわからないがめちゃくちゃ膝に来た。もう体力が限界に近かったのだろう

花はたしかにうつくしいけど、
花ですまされると、やはり納得できない感情がわいてくる。
そしてつぎは、まるくてたべられるせんべい「雪の宿黒糖みるく味」。
大北さんがだいすきなおかしだけど、圧倒的に納得できない。
でもこれが雪の宿だからだめだと言ってるわけではない。王様しか食べられないキャビアの缶詰めであってもきっと納得いかなかっただろう。食べられるからダメなのだ。実利がともなってはいけないのである。
金属は食べられない無駄なものであり象徴であるからこそいいのだ。

なんだかんだあって、表彰が無事におわり、
大北さんは金メダルを胸にかけて事務所を表敬訪問する。
「かじるんですか!?」と鈴木さんは何も言わないでもわかってくれた。それほどに話題の一件だったのである。
そしてかじっていただいたところ、これが何の競技かもわからないし、真鍮の安い自作の金メダルではあるのにも関わらず、なんとなくげんなりするものがあった。
先程までその価値がどうとか、自分の身体は自分のものではない、みんなのものだとか色々ごたくを並べて葛藤してきたもの。それを知らないおっさんが噛む。ああ、こういうことか、と一瞬で理解をした。

オリンピックとはなにか。まとめてみると、
運動して1位になると金メダルがもらえる。
日の丸を背おうと、団体戦のような気がしてがんばれる。
メダルではなく、お札や花、ましてや おかしでは気もちがなえる。
ここはやはり、ありがたみのある、
比較的ちいさめの金属でできた円盤がのぞましい。
もらった金メダルをしらないおっさんにみせたら、
うっかりかじられてしまうかもしれない。
オリンピックの本質を、ダルマをうごかす運動によって
みごとにえぐりだす 会心の記事にしあがっている。
大北さんと安藤さんのコンビから目がはなせない。

posted by カルピス at 21:55 | Comment(0) | デイリーポータルZ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月15日

高野秀行さんの宿泊療養むけリストにそって 新型コロナウイルス感染にそなえる

高野秀行さんの「コロナ感染の歩き方」、
第3回目は「回復した今、振り返って思うこと」。
https://note.com/henkyochannel/n/n096f9892bbfc
わりと感染者のすくない島根県にいると、
東京をはじめとする首都圏の感染状況は、
リアルなおそろしさにみちていそうだ。
でも、高野さんは、自分だけはかかるわけがない、
とおもっていたというから、コロナにたいする意識は
ひとによってずいぶんちがう。

高野さんは、ワクチンを1どうち、2回目をまっている時期に
新型コロナウイルスに感染した。
高野さんは、1どでもワクチンをうっていたからこそ
わりと軽症ですんだのでは、とかんじている。
私は発症から3週間前に妻と一緒にワクチンを1回接種している。これを「ワクチンを打っていたのに感染してしまった」ととらえる人もいるかもしれないが、私個人的には「ワクチンを1回でも打っていたからごく軽症で済んだのではないか」と感じている。
 感染した人たちの話を見聞きするかぎり、(無症状ではなく)ちゃんと発症して高熱と激しい頭痛、咳、下痢に苦しめられながらも、私ほど短期間で症状が収まった例はめったにない。たいていは1週間以上高熱が続くが、私は三日ほどで下がった。

たかい熱に3日くるしんでも「軽症」あつかいなのだから、
「軽症か無症状」と報道されていても、じっさいは
かなりくるしんでいるひとがおおいのではないか。

高野さんは宿泊療養の対象となったわけだけど、
感染に歯どめがかからない いまの東京では
自宅療養にわりふられるかもしれない。
ホテルへひっこすための荷づくりはしなくていいけど、
自宅でやすんでいるあいだ、きゅうな病状の変化がおきても
入院や往診といった治療にはつながりにくいようだ。
家でモンモンと病気への恐怖にふるえるより、
医療機関の目がとどいている宿泊療養のほうが、
まだましなようにおもえる。

高野さんがせっかく「コロナ感染の歩き方」をかいてくれたのだから、
よんだものとしては それなりの準備をしておきたいとおもった。
「宿泊療養持ち物リスト」を参考に、
https://note.com/henkyochannel/n/n2d8dd7490387
100均とドラッグストアへかいものにでかけた。
100均では、お皿・ナイフ・フォーク・さじをもとめる。
ホテルには紙コップしかないそうなので、
プラスチックのコップもかった。
紅茶やコーヒーを、自分のコップでたのしめるだろう。
ドラッグストアでは、体温計とバファリン(80錠)をかった。
せきどめに「ルル」を高野さんはすすめているけど、
わたしはまだ「ルル」をのんだことがなく、
値段もけっこうするので、ま、いいか、ということにした。

西暦2000年をむかえるとき、デジタル製品が暴走をはじめるのでは、と
うわさされたことがある。流通がとまったときのために、
3日分くらいの水・食料を準備したほうがいい、というはなしで、
わたしはスーパーへかいものにはしった。
災害にそなえてのかいものもすきで、
水や袋麺、それにスパゲティなどをかったこともある。
こんかいは、まだ身ぢかにせまったわけではない
新型コロナウイルス感染での 宿泊にむけた準備なので、
あいかわらずあそび感覚のかいものだ。
いろいろかってみると、ピクニックへいくみたいでもあり、
それらがぜんぶそろっている家でのくらしが
いかに快適かも再確認したところだ。
家にいて、すきなものをすきなようにたべ、
本をよみ、音楽をきくいまの生活は、
入院や宿泊療養にくらべたら天国みたいなものだ。
宿泊療養への準備はひとまずととのったけど、
このままなにごともなく家ですごしたい。

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2021年08月14日

「ホームタウン」といえば「スイートホーム・シカゴ」(『ブルース・ブラザース』)

きょうのラジオマンジャックのテーマは「ホームタウン」。
ホームタウンといえばあれだ。
『ブルース・ブラザース』にでてきた「スイートホーム・シカゴ」。
いつかかるのだろうとおもっていたら、
「あみハジジャック」のコーナーでとりあげられた。
『ブルース・ブラザース』のオープニング曲をバックに、
ハジ子ちゃんが作品についてざっと説明してくれる。
出演しているミュージシャンの豪華さとストーリー。
ラストちかく、税務局にお金をもっていくときに
この曲がかかるの、とハジ子ちゃんがいう。
そして、7分52秒のながい曲を、ぜんぶきかせてくれた。
のりのいい曲をきくと、あの場面をおもいだし、
血がさわいでくる。またみたくなった。
1980年だから、もう40年以上まえの作品なんだ。

ハジ子ちゃんの説明によると、映画は2時間13分で上映されたけど、
もともとは2時間28分ものながさだったという。
あんまりながいのでカットされたわけだけど、
DVD版では またもとのながさにもどされて発売されたそうだ。
オリジナルのバージョンがいい、とつい おもいがちだけど、
ハジ子ちゃんはみじかくしたものでじゅうぶんだった、という。
カットして、みじかくなっても筋がつうじるなら、
それで問題ない、というかんがえ方だ。
オリジナルをありがたがるのではなく、
ちぢめても意味がとおればOK、というとらえ方が柔軟でいい。

文章も、3行にまとめる、というやり方や、
9行でまとめる、というのもある。
「9行以内でスパッと言い切れないなら、結局それは伝わらない」
https://cyblog.jp/43216
といわれると、自分がかいている文章をみなおしてしまう。
いっぽうで「5秒のことを200字かけて書く」
という古賀さん流もおもしろい。
お子さんへの布教(アドバイスではなく)として
日記は1日のことをまるまる書こうとせずに5秒のことを200字かけて書くと良い

と古賀さんがはなしたら、むすめさんは
「靴下をはいた状態で玄関に立ち
 サンダルと靴どちらを履こうか悩んだ」
と日記にかいて提出したそうだ。

ものごとのぜんぶをかこうとするのではなく、
かきたいものについて焦点をしぼる。
『ブルース・ブラザース』でいうと、
ストーリーぜんたいを紹介するのではなく、
税務署へむかう場面だけにしぼり、
そのときにつかわれた曲をとりあげる。
ファンとしては、ずるずるとぜんぶはなしたくなるところだけど、
そして、ラストの「監獄ロック」はたしかにすてがたいけど、
そこをあえて「スイートホーム・シカゴ」だけにとどめる。
はじめて『ブルース・ブラザース』にふれるひとだって、
あの曲をきけば、作品のノリが かならずつたわる。

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